ASD先進国 アメリカ 1

大統領選挙の行方が注目のアメリカ。分断、人種差別、銃など、根深い問題を抱えた国ですが、自閉症においては世界の最先端に位置します。ASDを国や社会で捉えるアメリカ、医療福祉教育の従事者個々の力量頼みの日本。大きな違いがあります。

療育の代表的手法であるTEACCHは、ノースカロライナ州立大学で生み出され、州を挙げて実践プロジェクトに取り組んでいる。
アメリカの自閉症は、日本の数十年先を進んでいると言われている。名作映画レインマンは、アメリカでの自閉症認知を10年進めることに寄与したと言われている。フォレストガンプやマーキュリーライジングなど、自閉症の特性にフォーカスした映画や、セサミストリートに自閉症のキャラクターを登場させるなど、日本よりも自閉症が身近な存在であることを感じる。
どこまでリアルなのか分からないが、YouTubeでは自閉症児のパニックに寄り添うスタッフ、赤の他人なのに理解を示し行動する人、など、日本ではおおよそ遭遇しないであろう場面を紹介する動画を目にする。

世界自閉症啓発デーが何月何日か、知っていて意識している日本人はどれぐらいいるのだろうか。
4月2日は世界自閉症啓発デーだ。過去、国連事務総長やアメリカ大統領が宣言を出している。当時の大統領バラク・オバマは、その宣言の中でこのようなことを述べている。

家庭から学校まで、そして世界中の企業やコミュニティで、自閉症スペクトラム障害を抱える人々は、計り知れない方法で私たちの社会に貢献しています。 彼らは毎日、すべての人がユニークな才能を持って生まれ、敬意を持って扱われ、将来の計画に積極的な役割を果たし、コミュニティに完全に参加して貢献する力を感じていることを思い出させます。 自閉症の人が平等な機会にアクセスできるとき、私たちは皆、より良くなります。それは、私たちの国がすべての人々にすべてのことが可能であることを保証するという公約を守ることから始まります。

世界自閉症啓発デー ホームページより一部抜粋

日本の感覚では、自閉症は福祉の対象でしかない。敢えてどぎつい言葉を用いれば“お荷物扱い“。
アメリカは、為政者が社会の一員としての存在することを保証する、と言っている。シリコンバレーやハリウッドでは、特性を活かして職を得る人が多くいると聞く。社会の一員として扱うことを目指している。
実態は不明で綺麗事を言っているだけなのかもしれないが、当事者を勇気付けるのに十分な綺麗事だ。

続きは次回投稿します。