ASD先進国 アメリカ 2

日本でも自閉症を取り扱う作品が増えています。ATARU、僕の生きる道、グッドドクターなど。自閉症の認知度は少しずつ上がっていると感じます。しかし、自閉症モノの作品に共通するのは、サヴァン的な能力を持つ、SPECホルダー的な人としての描かれ方です。大半の自閉症はサヴァン的な才能を持たない。『能力のない自閉症はどうなの?居場所ってある?』異能の存在でなければ、“村の中“に居場所はない、と言われているような印象です。最近、学校や家庭の困り事として自閉症がフォーカスされるようになりましたが、『可哀想な人とその家族は大変だな。可哀想に』で終わっているような気がしています。自閉症は福祉の対象であり、助けてあげなければいけない可哀想な人、そして“自分たちとは違う人“。日本国もしくは日本社会からこう扱われているように感じられます。多少被害妄想があるかもしれませんが。

ニューロダイバーシティ、という取り組みがある。その中には自閉症の特性を仕事に活かそうとする取り組みがあります。10〜35人に一人という発現率の自閉症を、社会の一員に組み込もうとする思想は、同じベクトルの人間でないと採用しない就業環境の日本にはとても真似できないものだと感じます。アメリカはBLM運動等、多様性の価値観が揺れているようですが、もともと多様性を力の源泉とする前提の国なので、自閉症の人々を社会の一員に組み込むことを発想できるのでしょうか。均一性と協調性が強みの日本では、ニューロダイバーシティは無理でしょう。日本にだっていいところはあります。福祉制度はとても手厚いと思いますし、療育のスタッフや支援級の先生はとても熱意がありスキルフルです。役所も親身に対応してくれます。しかし、社会として受け止める思想はありません。ムラの外のコミュニティーに引っ越すことを余儀なくされ、ここで福祉サービスを受けることになる、そんな印象です。これは、身体の障がいや介護にも通ずるものだと思います。

私はアメリカに対してあまり好印象を持っていませんが、市井の人の見せるヒロイックな優しさや多様性の環の中に組み込もうという姿勢には尊敬の念を覚えます。日本人には真似できないと思います。アメリカに住んだことがないので、隣の芝生は青いだけなのかもしれませんが、ことAutismに関しては日本はアメリカを真似て欲しいと思っています。

大統領選挙の状況を伺いながら、こんなことを考えていました。『トランプって前述のアメリカと合致するのかな』余計なことを考えてしまいました。


4/2、世界各地がブルーライトアップされます。エジプトでも青くライトアップしているようです。


長男は大のアメリカ好き。『LAXへ行きたい(ロスの空港のことらしい)』『アメリカで生活したい』と言っている。理由は…ディズニー。長男の価値観の中心にディズニーがある。