字を書く技術②

長男は昔、字を書くことが苦手でであり嫌いだった。今では他の人が読める字を丁寧に書くことができる。前回書いた通り、先生方の指導の賜物なのだ。今回は、実学年よりも下の学年の教材に取り組み始めた長男の頑張りと先生方の取り組みを書く。

例によって、我が家1/1のケース、参考程度に読み飛ばして頂けたら幸いです。

■蛍光ペン下書きからの卒業

長男はミスすることに対する恐怖心が強く、難しそうなことを回避したがる悪癖があった。字を書く上でもミスが怖く、きれいな字が書けないことや枠の中に収まる字を書けないことを恐れて、書写教材に取り組むことを嫌がった。最初のうちは、長男が自筆で書くもの全てに蛍光ペンで下書きをした。書写の教材だけでなく、毎日書くスケジュール表や図工の作品にも蛍光ペンで下書きした。最初のうちは、蛍光ペンの”ガイド”が必須だった。

この”ガイド”をどこかで止めたい。親はそう思っていたが、先生方は特に止められることを急がなかった。

下書きが不要になった具体的なきっかけは覚えていない。自然と必要なくなった。長男が、自分の書いた字に自信を持ち、知っている言葉の数が増えたことによって、『下書きがなくても大丈夫』と思えるようになったのだろう。止めることを急がなかった先生方のアプローチは正しかった。

■漢字の得意不得意 :読みは得意。書き取りは苦手

何度も書いたが、長男は視覚的な記憶力に秀でている。その為、字を覚えることが得意だ。ひらがなの学習を始める前の未就学期においても、ひらがなカタカナだけでなく漢字であっても読むことができた。長男は、目で見る文字のかたちを覚え、同時に音を聞いて覚えて読める字を増やしていた。その為、アルファベットであっても読むことができた。

小学校に進学し、本格的に字を勉強するようになった後も、読みの優位は変わらなかった。日常生活で目にする字を自然と覚え、知らぬ間に読める漢字が増やした。高学年の今では、常用漢字以外の漢字も読める。「鬼滅の刃」に登場する当て字のような難読漢字も、ほぼ読める。鱗滝(うろこだき)や嘴平(はしびら)、竈門(かまど)も、長男にとっては鈴木、田中、小林と大差がない。

課題は、書き取りの苦手意識払拭と書き取り技術の上達だ。
無理をさせることなく毎日少しずつ書き取りに挑戦させてルーティンとして定着させ、字を書く経験を積み重ねて書き取り技術を少しずつ上げた。
確実に覚えた漢字に関しては、白枠の中に書き込むことができる。まだ自信の持てない漢字は、書こうとしない。健常児と違い、少し違っていてもテキトーに書いてみる、ということはしない。確実でなければ書こうとしないのは、ミスを嫌がる性格によるものだろう。確実に覚えていない字に関しては、教材の解答を見ながら書いている。
下書きがないと書けない→解答を見れば同じ字を書くことができる
この成長はとても大きい。解答を見ながら書いている字も、時間がたてば確実に書ける字に変わる。このようにして書き取りの技術を向上させている。

■国語辞典、漢字辞典に対する興味

長男は知らないことを調べるのが好きで、iPadにて言葉の意味や地名、地図など調べている。非デジタルの調べものにも拒否反応はない。図鑑を使って調べる。言葉や漢字に関しては、国語辞典や漢字辞典を使って調べることを薦めた。まずは学校でこれらの辞典を使って、興味を持つ。『同じものを買ってほしい』と言われたら、購入して机に置いておく。そうすると、自分で調べるルーティンが出来上がる。

長男は、辞典で調べることを気に入ってくれている。理由は、調べたい言葉から派生して他の言葉を知ることができるからだと言っている。辞典の情報量はとても多い。沢山の文字が並んでいる紙面を見て、うっとりしている。

ちなみに、長男はかわいいもの好きなので、漢字辞典はドラえもんが描かれたものを買い与えた。ページの各所に小さなドラえもんが描かれている。辞書を引くことに楽しさを感じてくれているので、ドラえもんをチョイスしてよかったと思っている(バナーを貼り付けますので、宜しければチェックして下さい)


未就学期は、苦しみながら鏡文字を書いていた。『長男は字を書けない』と思い、多少の覚悟をしていた。その当時、書き取りを苦にしていない現在の姿を想像することはできなかった。毎日書写に取り組んでいること、他人が読める字を書いていることが、信じられない。周囲のアプローチと本人の努力次第で、なんとかなることを学ばせてもらった。今苦手にしていることであっても、漢字のようにきっと克服できる。親が学ばせてもらった。


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