我が家の、鬼滅の刃(参)

炭治郎と禰豆子 兄妹への感情移入

我が家の子どもたちは、鬼滅の剣士たちをかっこいい存在として見ている。『炭治郎かっこいい』『善逸の霹靂一閃はすごい』と言って盛り上がる。世の子どもたちも同じ感覚だと思う。禰豆子のに対しては、髙い戦闘能力とかわいらしさ以外はあまり注目をしていないようだ。

最近触れたばかりのにわかファンの私は、違う感覚で鬼滅の刃を見ている。

我が家の長男は自閉症で、とてもいい子だが他の子とはちょっと違う。ずっと見守っている親でも、『今何を考えられているのかな?分からないな?』と思うことがある。鬼滅の刃を見てすぐ、私は重ねてしまった。

禰豆子は長男 長男は我々が歩を進める理由

禰豆子は、主人公竈門炭治郎の妹で、鬼に襲われた家族の唯一の生き残り。生き残ったのだが、禰豆子は鬼になってしまった。鬼は見境なく人を喰うので、情けをかけず斬るしかない。しかし、禰豆子はなぜか人を喰わない。喰わず眠ることで命をつなぐことができる。鬼滅の刃は、禰豆子を人間に戻すため、鬼と戦う炭治郎と鬼殺隊の物語だ。

私は、人ではない鬼、謎の存在である禰豆子と長男を重ねてしまう。自閉症の長男が、鬼のように人を傷付ける、という意味では決してない。もちらん、人ではない、という意味でもない。鬼という点に重ねているのではなく、謎に満ちていて守るべき人という点に重ね、物語を見入っている。なんとなくよく分からない存在であることが、共通しているように感じる。普段ぼーっとし、のんびりしていて、よく眠るところは似ている。

炭治郎は次男 お兄ちゃんを支えてあげて

次男は3歳年下にも関わらず、常にお兄ちゃんのことを労り、長男が好きなものの相手をする。ボードゲームやテレビゲームでは、わざと負けて長男に花を持たせる芸当までやる。弟だが、自閉症の兄を支えてくれている。親がカバーしきれないところを次男が埋めてくれる。次男がいてくれてどれだけ助かっているか、長男にとって次男がいることがどれだけ幸せなことか、いつもそう思い感謝している。
努力家で真面目で、鬼にすら共感するほど優しい。そして、命をかけて妹を守る炭治郎と、次男が重なって見える。もちろん、命をかけて守りなさいと次男に強要したい訳ではない。

炭治郎たちと組み合わせは逆だか、しっかり者で明朗快活で心優しい次男は、天真爛漫な兄を支える。禰豆子を人間に戻すべく、十二鬼月や無惨に立ち向かう姿は、自閉症という謎の多い課題に対して挑み、家族の幸せを希求するためにもがく我々によく似ている。勝手に感情移入し、応援してしまう。

『我に課す一択の 運命と覚悟する』

『傷付いても傷付いても 立ち上がるしかない どんなに打ちのめられても 守るものがある』

竈門炭治郎のうた

これは、私が大好きな「竈門炭治郎のうた」の一節だ。
我々家族は、これからも歩みを止めない。長男が笑顔でいる限り。
今までショックを受けても絶望しても、前を見続けて頑張ってきた。無論、長男自身も頑張った。
長男を守るという使命を、命を賭して全うする。
鬼滅の刃を見て改めてこれらのことを思い、勝手に感動を覚えてしまった。

さて、大正コソコソ噂話。次男は善逸たちのフルネームから始まり、技や柱の名前など、すぐに覚える。下伍など、鬼の位も同様だ。私はなかなか覚えられない。昔、聖闘士星矢にお熱の時は、名前、星座、技の名前を、青銅に限らず白銀黄金、神闘士や海闘士のものも覚えていた。歳を取ると覚えが悪くなるようだ。見たこともない難読漢字のキャラ名を覚える次男。血鬼術だろうか?