コロナ下での安定感

制約の多いコロナ下の生活をストレスなく満喫する長男。安定の要因を考察する

自閉症の長男は、コロナウィルス下の生活を極めて安定して過ごしている。感染の恐怖や相互監視のイライラで心の健康を損ないかけている社会や私とは対照的だ。思い返せば、コロナ禍の対応以後、長男の安定度は増したように思う。再現性を担保する為、要因を探ってみる。

要因1 学校行事の取り止め

長男は、運動会や遠足、土曜授業など、普段のスケジュールから外れた学校行事が苦手だ。直近1〜2年は参加できているが、参加できない年度もあった。今年は緊急事態宣言下の休校や感染予防の為、これらの学校行事に大幅な変更があった。通年ならストレスを蓄積しながら対応する学校行事が規模縮小もしくは無くなったことで、長男はストレスの総量を減らすことができた。

要因2 ルールが決まればしっかり守る。コロナ下の約束事を煩わしいと嘆かない

長男のいいところは、決まりをしっかり守れるところだ。マスクやディスタンスなど、コロナ下のルールに対し、ストレスを感じることなく従うことができる。「本来は」「従来は」「あるべき姿は」などと思わず、新たなルールをしっかり守る。周囲がストレスを蓄積する中、普段通り心静かでいられる。

要因3 コロナ下の生活が嫌じゃない

あまり動きたがらない長男は、外出自粛を余儀なくされる今の生活にストレスを感じていない。下記の3つほど功を奏したポイントがある。

  1. 任天堂スイッチとスカパー、Amazonプライムビデオなど、第一波の前後にこれらを揃えておいた?これらによって、彼の巣篭もりライフは充実している。
  2. 外食やお出かけの機会減を多少嘆いているが、『コロナが終わったらね』という約束のもと“キャリーオーバー“している。中止になった年末恒例のディズニーランドも、建て付けは“延期“だ。消滅していないので、強い拒否はない。
  3. 好きなお出かけ先であっても多少のストレスを感じている。大好きなお出かけはできないが、そのお出かけで感じるストレスはゼロだ。家の外で感じるストレスの大幅カットで、ビフォーよりも安定しているのではないか。

要因4 コロナ後にやりたいことを主張するのとで、「後のお楽しみ」に据える

ディズニーランドや遊園地など、コロナがなければ出来た経験が“延期“されている。彼の方から『コロナが終わったら行こう』と言ってくれるので、消滅ではなく“延期“であることが強くインプットされる。巣篭もりの期間中に、旅行やキャンブなど、新しい関心事を“積み込んで“いる。『コロナが終わったら』という会話により、ストレスを感じることなく、むしろ期待を膨らませて受け止めることができている。


長男の場合、我が家はコロナのマイナスがほとんどなかった。むしろ、心の安定などプラスに作用している感すらある。こんな幸運なことは、自閉症の当事者家族の中ではかなり珍しいのではないかと思う。この幸運を感謝したい。

長男は“延期“した楽しいイベントを根気強く待つことができそうだ。ただ、いつまで待てるか分からない。コロナは少しでも早く終息してほしい。気兼ねなく出かけられる日常を取り戻したい。

ディズニー、国内旅行.etc コロナ後に果たすべき約束が山ほどある