自閉症児を支える生き甲斐が仕事の価値観を変えた

会社員の生き甲斐は出世をして偉くなること、大きな仕事をすることだろう。

私は違う。会社員としての私が一番望むことは、最少労力で仕事をこなすことだ。出世など眼中にない。給料を増やすことにも執着はない。仕事にやり甲斐は欲しいが、最重要項目ではない。

自閉症の長男を、またはそれを支える家族を支えられるスタイルで仕事ができること。それが望みだ。

野心的な意欲を持って上を目指す人、社会での発言権を強める為に精力的に動く人、同年代には彼らを実践する人結果を出している人がそれなりにいる。年下でも結構いる。管理職になっている同年代は多い。私はそれを目指す気がない。悔しさは多少ある。だが、“そんなことにこだわっている余裕がない“からだ。

“エラくなる“と困る事が沢山ある。管理職になると家族に迷惑をかける可能性のあることが増える。

  • 急な転勤の可能性がある
  • 上や下、思い悩む人の数が増える。家族のことをおもんばかる余裕がなくなる
  • 帰宅が遅くなる。場合によっては土日が喰われる
  • ※発達に問題があり、HSPの傾向を持つ私にとって、マネージャーはキャパオーバー
  • ※上の人との人付き合いが嫌。人間嫌いなので
  • ※マネージャーよりもプレーヤーの方が仕事が楽しい

※印は私個人のパーソナルな理由だが、管理職になってしまうと、ある程度家族を犠牲にせざるを得ない状況が発生する。私の父が管理職になった際、子どもだった私は転勤や父の不在など、それなりに影響があった。同じ状況に自分がなることは考えられない。

私がもし若い頃から仕事のできる人間だったら、長男が一番大変だった頃にケアすることや妻を支えることはできなかっただろう。

自閉症児の父である私は、仕事ができない人間でよかった、と、変な感謝をしてしまう。

唯一惜しいのは給料が増やせないこと。個人的には昇進ではなく副業で埋め合わせたい。会社が副業を許可してくれることを心待ちにしている。