ミスが起きても取り乱さない好事例

長男は失敗することを嫌う。最近は緩和されつつあるが、小さい頃は失敗への心配が非常に強く、多くのことにストレスを感じていた。失敗をして「意外と大丈夫だ」と理解することで耐性がついてきたが、今でも失敗しない為に慎重な行動を取っている。

テレビが好きな長男は、番組録画機能を毎日起動させて録画予約をしている。私は使ったことのないワード検索機能や音声検索機能を巧みに使いこなす。持ち前の細かい性格も手伝って、録画漏れをほとんど起こさない。しっかりものの次男がよく録画忘れをしている様を見ると、長男の徹底ぶりが際立つ。

そんな長男が最近、珍しく録画漏れを起こした。TBSの「アイアム冒険少年」だったと記憶している。長男が寝た後、新聞のラテ欄を見て録画していないことに気が付いた。かつての長男であれば、大泣きしているケースなので、私と妻は次の日の朝、長男が落ち混しまうのではないかと不安だった。

翌日、長男はいつも通り5時に起床して、リビングでテレビを見ていた。少し遅れて私がリビングへ行くと、長男はTVerで「オオカミ少年」を見ていた。

『この番組、録画できてなかったでしょ?』
私が質問すると、長男は、
『うん。だからTVerで見てるの』
と言った。

長男の柔軟な対応に驚かされた。私は長男に『TVerで見られるんじゃない?』と声をかけるつもりだったのだが、自分で気付いて行動していた。とても小さな事例だが、長男が臨機応変に対応できたことを嬉しく思った。

自閉症は、決まったパターンが崩れることを嫌う。長男も基本的にはそうだ。ただ、彼は少しずつパターンが崩れること、ルーティンに固執しないことに慣れつつある。自閉症にもグラデーションがあり、人によって千差万別のようだ。

親は自閉症児のこれら志向に振り回され、強いストレスを感じる。我が家のようなケースがあることも留め置いてほしいと思う。人によっては緩和されることがある。いろいろな経験(失敗体験)をすることが鍵なのだと思う。

TVerについては、下記のサイトをご参照下さい。

https://tver.jp/