空気を読み始めた長男

自閉症児にとって理解と実施が最も苦手なのは「空気を読む」ことだと聞いたことがある。概念的なもので可視化されていないため、”そもそも何であるか”が理解できないという。日本が自閉症児にとって住みにくい環境である由縁の一つだと私は思っている。

場の空気
日本における、その場の様子や社会的雰囲気を表す言葉。とくにコミュニケーションの場において、対人関係や社会集団の状況における情緒的関係や力関係、利害関係など言語では明示的に表現されていない(もしくは表現が忌避されている)関係性の諸要素のことなどを示す日本語の慣用句である。
近年の日本社会においては、いわゆる「KY語」と称する俗語が流行語となって以来、様々な意味を込めて用いられるようになっている。

Wikipedia

うっすら自閉症の因子を持つ私は、観察力と訓練によってほとんどの場の空気を感じ取ることができるようになった。ただ、周囲からすると信じられない”KY行為”をしてしまうことがごくまれにあり、生来備わっている人間と技術として身に付けた人間の差が埋められないことに愕然とする。

長男は自閉症児のそれに倣い、空気を読めない子だった。周りの子と行動を合わせることができなかった。ただ、小学校に進学して周りに同年代の子が多くなると、少しずつ周囲の様子を意識し始めるようになった。

今までは、発言や行動を控えるという対応が主だった。
何もしないことで事を荒立てないというスタイルだった。マイナスだけ防ぐというやり方だ。これができるようになっただけでも成長なのだが、最近一段階レベルを上げた。

長男が最近見せたAirReaderエピソードを紹介する。

  • 次男の登校時刻が早すぎて、先生から「もう少し家を出る時刻を遅くしてね」と言われた。次男からこの話を聞いた長男は、「僕も出発の時刻を遅くしようかな」と妻に言った。誰からも指示されていないのに、自分で考えて親に相談することが出来た。
  • 長男が嫌がるので、次男に対して「ウチには友達を呼んじゃだめだよ」と言ってある。次男は約束を守っているが、ドアの外まで友達を招き入れることがある。先日、次男が友達を玄関に招いた。ペットのハムスター・金魚や自身のコレクションを披露するためだ。長男にとっては約束違反なので、声を荒げて文句を言うかと思ったが、長男はリビングから2階へ上がり、2階のテレビでDVDを見始めた。
  • 次男は学研に通っている。次男が学研の宿題を始めるた時、それまでYouTubeを見ていた長男は、自分でイヤホンを探し出して音が出ないように配慮した。音が勉強の邪魔になることを自分で考えて行動してくれたようだ。

上記はいずれも大したことではないが、長男にとっては大きな変化だ。最近ストレスが減り、ストレス耐性がついてきた長男は、今までできなかったことをやってみせるようになった。

日本人特有のこの”超能力”を、長男も使えるようになるのだろうか。もし長男に余裕がありそうなら、私が今までに解明した”空気読解技法”を伝授したいと思う。