普通級へのこだわり(ニ)

支援級から普通級へ転籍したケース

支援級でかなり“出来の良かった“その子は、3年生になる年度で普通級へ転籍した。支援級での彼は、ほとんど手のかからない子だった。とてもしっかりしていた印象だ。しかし、そんな彼でも普通級の壁は高かったようだ。過去2年間と違うカリキュラムについて行くのは大変だという。

また、3年生になると、(普通級の)子どもたちは、支援級の位置付けを暗に認識していて、“支援級から来た子“に対して他の子とは違う接し方をしてしまう。少し距離をとってしまい、他のクラスメイトとの関係性とは違うものになってしまうようだ。

支援級でとても優秀だったその子でも、普通級では周りについていけない。どうしても浮いてしまうようだ。本人もそれを理解し、自信をなくし、学校を休みがちになってしまった。支援級→普通級は想像以上に難しいことようだ。

無理して普通級の在籍にこだわり続けたケース

ADHDと思われるその子は、癇癪を起こす、友達に手が出てしまう、など、トラブルメーカーになってしまっている。ウチの長男と同じ6年生の彼は、学校の勧めにも反して普通級に在籍している。

学校は、その子の親に対して、学校ができるサポート以上のことは保護者が付き添って対応してください、と依頼している。具体的には、課外授業や遠足など補助が必要な行事には親御さんが同行している。親が学校に呼び出されることも多いと聞く。

支援級へ転籍しない理由は、お父さんが猛反対しているからだと聞いた。その子本人も、周りと同じことができないこと、周りから避けられていることを察しており、それが自尊心を下げてしまっている。知的に遅れがなく真面目な子なので、「支援級に移れば劇的に生活改善するだろうに」と思ってしまう。


以上は、親が普通級にこだわってしまったケースだ。その子が優秀であっても、普通級では苦労するようだ。学年が上がるとより顕著になる。親として、周りと同じ”フツー”を望む気は理解できる。ただ、一番苦しむのは子どもだ。その子がストレス反応を示すことで、親が苦労することもある。

子どもにとって最適な環境はどこか、当事者家族は考える必要があるようだ。

次回は普通級から支援級へ転籍した、珍しいケースを紹介する。