一番後ろ向きなのは、父親の私

アフターコロナ 自閉症の長男は前向き、次男と妻は「なるようになる」と割り切り、私はあれこれ考えて気を病む 一番不健康なのは私

10月になり、日本のコロナ対応は、新たなステージへ移行した。GoToや外国人の入国、観戦客数の緩和等を総合的に捉えれば、“コロナの警戒度は下がりましたよ“、“少し安全になりましたよ“と理解していいのだろうと思っている。緩和されたことが増えたので、今まで以上に自分で考えて行動し感染を自衛する必要があるのだろう。感染した際のバッシングは、今後より強まるのだろう。

私は軽い自閉症を持っているので、“個々人で塩梅を考えて“とか、“周りを見て節度のある行動をして“と言われても困ってしまう。なんとなくの指示は理解が難しい。欠如している私が自分で考えた行動をして、健常のそれとずれていた場合、私はバッシングされるのだろう。「フツー分かるでしょ?」と言われて終わりなのだろう。
今まで通り経済活動の自粛を続け、不要不朽の外出は控えるつもりだ。これならばずれが生じることはない。おそらくは、ワクチンが行き渡るまでは、これを続けなければならないのだろう。自粛の中で、様子を見ながら感染リスクを考慮しながら、子どもたちにさせてあげたいことを提供してあげる方法を模索する。不自由な中でできることを見つける。こんな生活を2年ぐらいは続けることになるのだろう。

長男は、目の前のことに対して理解と腹落ちができれば、将来に対して不安を全く感じない。目に見えること以外から不安を感じない点は、とても助かっている。

次男は、神経が細かいので次の季節や来年のことを少し心配しているようだが、まだ幼いことが功を奏して思い悩んでいない

妻は、夫婦間で「これからどうなるのだろう」と話をして、短期や中長期のことに不安を感じているが、持ち前のプラス思考とのんびりした性格が手伝って、ストレスを抱えていない

最悪なのは私だ。周りの考え方や行動と自分のそれの違いに戸惑い、自分の考え方がおかしいのではないかと常に考えてしまう。物事をマイナスで捉え最悪の事態を想定する思考タイプなので、冬のパンデミックを想定した行動を今から考えている。これらに加え、明日や一週間後など直近の不安なことにも気を病むかなり辛い。側から見れば自滅しているだけなので、「やめたらいいじゃん。バカじゃん」で終わる話なのだが、物心ついてからこの性分なので簡単にやめられない。

最近、毎日のように電車の人身事故が発生する。有名人の自死のニュースも報じられる。第一四半期のような強い自粛は必要なくなったが、今はマイルドな自粛が無期限で強いられる。暗くて出口の見えないトンネルにいるような不安を感じる。感受性の高い人には堪える状況だと思う。私がそうだから言うわけではないが、今とても辛いと感じている人は多いのではないだろうか。第一四半期のように、“皆辛い“状況よりも、周りには分からない辛さがある状況の方が、辛さの度合いは高い。共感してもらい辛いからだ。私はそうだ。いまとても苦しいと感じている人は多いのではないだろうか。

先月末、私は薬の量を増やしてもらった。私は薬にすがりつくことで、今の不安期を乗り切るつもりだ。自閉症の当事者家族は、健常の家族よりも何かと辛い思いをしていないだろう。心は突然壊れてしまう。もやもやと辛さを感じ、耐えがたいと思ったら、心療内科の受診をお勧めする。