実際に購入して読んだ本の中で、「感銘を受けた」、あるいは「我が家で実践を試みたこと」が書かれている書籍を紹介します。

はじまりは愛着から 人を信じ、自分を信じる子供に

佐々木正美/福音館書店

自閉症児に限らず子育て全般について書かれており,妻は次男の子育てで気をつけるべきポイントを学んでいる。妻は佐々木先生の育児理論に全幅の信頼を置いている。

自閉症の当事者家庭だけでなく、健常児の親にも読んでほしいと思う本だった。


発達障害の子の立ち直り力 「レジリエンス」を育てる本

藤野博/日戸由刈

自閉症児には上手くいかないことがたくさんある。困難に直面した時、自己肯定感を失わず、挑戦意欲を保ち続けることの大切さが書かれています。「人を頼り成功する体験」を積み重ねる、その為に必要な生活習慣や人への頼り方がイラストを交えて書かれている為、とても読みやすい。

日戸先生は、我が家が利用する療育施設で講座を担当されている関係で、書籍をよく読んでいる。
ご自身の身内に自閉症の方がおられるので、家族の大変さや心構えという点でも参考にさせて頂くことが多い。


男子用ワークブック かっこいい男性になるための10+αのおとなルール

/アスペエルデの会

ネットで注文した。療育先のリハセンターに掲示されており、我が家が長男の二次性徴問題に備えて購入した。ページ数は少ないが、親が口頭で説明しにくいことを漫画で説明してくれている。我が家はまた子どもに見せていないが、様子を見て渡したいと思っている。自分で読み、性を学ぶ為に使ってほしい。シリーズになっているので、他の冊子も購入したいと思っている。

https://as-japan.ocnk.net/


佐々木正美の子育て百科

佐々木正美/大和書房

我が家は講演の聴講をきっかけに佐々木先生の育児本をよく読んでいる。この本は母親からの子育ての疑問や心配事に対して、佐々木先生が応答する形式で書かれている。自閉症児だけでなく、兄弟児や、夫、祖父母に関することまで書かれているので、とても参考になることが多い。佐々木先生の書籍は、主に兄弟児(我が家で言えば次男)への接し方を学ぶ為に、愛読している。


アルジャーノンに花束を

ダニエル・キイス/早川書房

この本は、自閉症の当事者家族にはお勧めできない。泣いてしまうからだ。『もし我が子が、チャーリーと同じ境遇で“かしこくなる“手術を受けたら』と感情移入して読むと、後半の展開が居た堪れなくなってしまう。私はWikipediaの文言を読むだけで涙がにじんでしまう。ただ、小説としてはこれほど素晴らしい作品はないと思っている。今は悲しくなってしまい読めない本だが、人生の一冊にノミネートされている大事な本だ。映画やドラマよりも、想像力を働かせる分、小説の方がいい。


過去、アルジャーノンについて書いた投稿です。宜しければご覧下さい。


発達障害の子のライフスキル・トレーニング

サブタイトルは『15歳までに始めたい!』となっている。将来の生活面を健全なものにする為に、“ライフスキル“を身につけようというものだ。ライフスキルとは、日常生活を送る為に必要なスキルのことで、衣食住や健康管理、片付け、お金の管理など、生活の基礎となるものに対して、自分でできることを探して身につけようというものだ。安定した生活を送るための土台を作るためのアプローチが書かれている。

細かくルールが記されているわけではなく、『これができなければダメ』という記述でもない。『これができなきゃダメだ』と気負わずに読むことができる。この本を参考に、雨戸の開閉や風呂のお湯張り、食器の準備など、長男に役割を与えて手伝ってもらう習慣を取り入れた。

スキルを身につける用途ではなく概念だけおさえる意味でも、読む価値のある本だと思う。


東田直樹さんの書籍

東田さんは、重度の自閉症であり会話ができないにも関わらず、美しい言葉を使って自閉症の世界を教えてくれる作家だ。自閉症の界隈ではかなりの有名人。NHKで何度も特集されている。多くの書籍が刊行されているが、代表作を紹介します。

自閉症の僕が飛び跳ねる理由

この本は、自身が自閉症児の親であるイギリスの作家デイヴィッド氏が、我が子が何を考え何を思っているか知りたいと思って出会った本であり、英語圏の方に広める為英訳を担当された。NHKの番組では、お二人が会う場面が特集されていた。

私が印象的だったのは、自身のことを『壊れたロボットの中』にいて『操縦に困っている』と表していたこと。全ての自閉症の方が同じように感じているのかは分からないが、自分の意思と異なる動きをする身体に悪戦苦闘するイメージは鮮明に捉えられる。ウチの長男も同じ感覚なのだろうか。

二つ紹介します。私はイーストプレス版を買いました。

東田直樹オフィシャルサイト