妻に感謝

自閉症児本人を含め、家族がチームとなって対応する必要があります。ウチのチームのキャプテンは、妻。妻がいなければ生活が成り立たない。大事にしなければいけない。

妻は私より1歳年上、姉さん女房だ。結婚した当時は、やや世間知らずで、おっとりした印象だった。明るく社交的。修羅場を経験したことがないので、大きな絶望を味わったことがない人だった。結婚後、私という”傷を抱えた”人間を見て、自分の想像を超える考え方や死生観を持つ人がいることに驚いていた。”精神を壊した人がいる”という経験がなかったようだ。私にとっても、真逆な性格の人が近くにいることで驚きがとても多かった。

そんな”普通に明るい”女性の人生観を一変させたのが、長男の自閉症だ。新横浜にあるリハセンターで自閉症の診断を告げられた後、妻はずっと泣いていた。周りのお母さんの子育て話と違うことが家庭で起こる。前回のブログに書いた、私が長男に手をあげた頃が、妻にとっても一番精神的に追い詰められていた時期だと思う。

苦しい茨の道を抜ける為に、妻が心掛けたことは

傾聴
②相談

この2つだった。

専門家の話は、お医者さん、教室の先生、スタッフさん、皆の話を聞き、困り事を相談した。
自閉症児を育てるママ友と話し、情報交換や励まし合いをした。
健常児のままに対しても、「ウチはこんな感じ」というのを嫌味なくはなし、健常児のママとの繋がりが切れないようにした。

おそらく妻は、このようなことを無意識でやっている。

コミュニケーションを大事にすること

単純だが、妻は①~③を自然体でやっているだけなのだと思う。意識せずできるところが彼女のすごい所であり、今日の長男の安定を生み出しているのだと思っている。

彼女は誰もが出来ることではないこともやっている。それは、

④子どもに常に向き合う 子どものことを第一に考える

これだと思う。私には他の家庭の母親と接する機会がないので、正確なことは言えないが、妻ほど子どものことを”上から目線”ではなくフラットな関係性で子どもと接することができている人は、あまりいないのではないかと思う。私が彼女の最も尊敬している点はこれだ。

私は『どうせ自分なんで』『俺の気持ちなどわかるまい』と考えて、孤立する方向へ進みがちなので、妻が無意識でこれらをやってのけることを理解できない。神業のように思える。

ちゃんとした人の心を持たない私にとって、人を愛し、信頼して、協調しながら歩を進めることのできる妻は、代えがたい存在だ。
長男や次男にとって、妻が母親だったことはとても幸運なことだと思う。無論、人心が欠けた私にとっても、だ。

妻のことを生涯大切にしようと思う。いつも、ありがとう。

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ケセラセラ