痛みに鈍感

自閉症児の痛覚は敏感?敏感?

長男が二段ベッドから落ちて、肋骨を痛めてしまった。
予想以上に大きなダメージがあったのだが、本人の言動や表情からはそれを読み取ることができなかった。

発生当日

長男は二段ベッドの上段に寝ている。先日、寝起きに梯子を踏み外し、下へ落ちてしまった。落ちた勢いで倒れ、脇腹をぶつけてしまった。脇腹ではなく腰を押さえてうめき声を上げている。涙目だが、ないてはおらず、堪えている。朝の日課であるテレビを見たいので、痛みを我慢しながらリビングへ降りていった。落ちた際の音が大きかったので、心配する我々。長男は辛そうな顔をしているが、いつも通りテレビを見ていた。痛みがおさまったようなので登校した。

学校では頑張っていたが、終始患部を気にしていて、元気がなかったようだ。午後一番で早退することになった。家へ帰った後、即昼寝。起きた後はテレビやゲームをして過ごした。

次の日

長男が「病院で調べてほしい」と言うので、妻が長男を整形外科へ連れて行った。学校は休ませた。初めて行った整形外科だったが、嫌がる素振りや緊張•不安は何もなかった。念のため患部をレントゲンで確認することに。すると、肋骨の一部が変形していた。骨の変形という思わぬダメージに妻は驚き、連絡を受けた私も同様。

長男は、昨日よりも痛みはない様子で、テレビやゲームをして過ごしていた。明日は学校へ行く。処方されたのは、湿布と頓服の痛み止め。サポーターやコルセットは出されなかった。

三日目

普段通りの生活リズムで朝の支度をし、登校した。痛みは多少あるようだが、普段通りの学校生活を送ることができた。


長男は、服のタグを嫌がり、腕時計やイヤホンをつけることを嫌がる。他の自閉症児に見られるように、触覚は敏感だと思う。

一方で、痛みには強いようだ。抜けかけた乳歯を自分で引き抜く、こけて膝から血が出ていても絆創膏を貼れば痛みが気にならない、等、痛みに強いのではないかという行動が多い。

自閉症児は一般的に、敏感鈍感どちらなのだろう。周囲からは敏感なエピソードしか聞かない。長男が痛みに強い、というよりも、鈍いことを思い知らされた。

親として気をつけなければならないことは、怪我の程度を見誤らないこと。『ひょっとしたら言葉以上にダメージがあるかも』と考える必要がありそうだ。

長男の怪我は大したことがなく、その後も強い痛みを感じることなく生活できている。無事でよかった。