療育手帳

自閉症児を支える家族は、そうでない家族の何倍何十倍も苦労を強いられる。
その為、療育や特別支援級など、支援を十分に受けることによって、本人と家族の大変さを少しでも軽減させる必要がある。
そうでなければ耐えられない事態に陥ることがあるからだ。
必要な支援は、堂々と受けるべきだ。
その中の一つに、療育手帳がある。

療育手帳(愛の手帳)

療育手帳は、児童相談所又は知的障害者更生相談所において、知的障害があると判定された方に交付される手帳。療育手帳をお持ちの方は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスや、各自治体や民間事業者が提供するサービスを受けることが出来る。

厚生労働省HPより

等級があり、A(重度)、B(それ以外)の2つがある。ちなみに、我が家の長男はBだ。

手帳の交付にあたっては、児童相談所へ赴き、判定を受ける。
長男が一番最初に児相へ行った際は、行ったことのない施設へ連れていくこと自体がとても大変で、最中ずっと泣いていた。
その為、すぐに”手帳交付”が決まった。わが子の大変さがワーカーさんに”すぐ伝わった”。結果オーライなのだろうか?

せっかくだから、療育手帳を取得して、恩恵を受けちゃおう!

療育手帳を持っていると、これらの支援を受けることが出来る。我が家が助かっているものをいくつか挙げようと思う。

  • 市の動物園
    ズーラシア(よこはま市動物園)では、本人と付添者2名まで入園料が無料だ。
    同じ横浜市の金沢動物園も同様の免除が受けられる。
  • 都営施設(葛西臨海水族園、上野動物園)
    都営の施設であっても支援を受けることが出来る。葛西臨海水族園では、本人と付添者1名の入園料が無料だ。
    上野動物園も同様の免除が受けられる。行政の運営する施設の免除は、かなり手厚い。
  • 遊園地
    八景島シーパラダイスでは、本人と付添者1名のアクアリゾーツパスの料金が5割引きになる。
    よみうりランドも、本人と付添者1名のチケットが5割引きになる。更に、よみうりランドには「ゲストサポートカード」というサービスがあり、このカードは、待ち列に並ばずにアトラクション乗車までのお時間を過ごすことができる。
  • 羽田空港駐車場
    有人のゲートを通る必要はあるが、駐車場料金が半額になる。以前、羽田空港をレジャースポットとして利用していた際には重宝した。羽田空港だけでなく、駐車料金の減免を受けられる駐車場は結構ある。タイムズなどの民間はおそらくないと思うが、市営県営の駐車場には、減免のある駐車場が結構ある
  • ディズニーランド
    ディズニーリゾートはチケットのサービスはないが、「ディズアビリティーアクセスサービス」というものがある。これは、アトラクションの順番待ちが困難な方を対象としたサービスで、アトラクションの待ち時間分を並ばずに過ごし、待ち時間相当分経過した時刻にアトラクションへ行くと、れるに並んだとみなして前列まで誘導してもらえるというものだ。(例えば90分待ちのアトラクションで12時に手続きすると、13:30にアトラクションへ行くと前列へ誘導してくれる)ファストパスに似たサービスを提供してもらうことが出来る。これとファストパスを使うと、待ち時間をかなり軽減してもらうことが出来る。
    他にも、駐車場のゲートで療育手帳を見せると、エントランスに近い駐車場へ案内してもらえる。
    ディズニーの詳しいサービスは、下記を参照ください。
    【公式】パークでの負担を軽減するためのサービス | 東京ディズニーリゾート (tokyodisneyresort.jp)

参考
障害者手帳で行こう!~全国版~ (shogaisha-techo.com)

療育手帳を取得すると、「わが子が”一線を越えてしまった”」と捉える親御さんがいるようだ。頑として手帳を申請しない人が少なからずいるという。私は、日々の苦労に対して行政が労ってくれると解釈して、ありがたく支援を受けたほうがいい、と思っている。
行政の福祉は、一般で思われている以上に手厚い。担当者も親身になって対応してくれる。世間一般の障がい者に対するまなざしは冷たいと感じているが、療育・支援級の教師、そして行政のレベルは相当高いと思っている。もし迷っている親御さんがいるのなら、深く考えず手帳を申請することをお薦めする。

安く済むことでお出かけが楽しくなる。このぐらいの恩恵を受けても、罰は当たらないと思う。