テレビの見方が変わった
見たことのない番組を視聴するようになった。バラエティ番組を見て笑っている。これも一種のこだわり解消
長男は小さな頃からテレビが好きだった。自閉症の判定を受ける前からテレビが好きで、それは今でも続いている。ただ、長男のテレビの見方は変わっていた。お気に入りの番組しか見ない。しかも、オンタイムでは絶対に見ず、録画でないと見ない。しかもその録画した番組を何度も繰り返し見る、という変わった見方だった。
生放送は何が映っているか分からないので、不安なのだという。これは、周りの自閉症児を育てる親御さんからもよく聞く傾向だ。独特のテレビ視聴スタイルは、なかなか変わることがなく、硬直した印象だった。
その視聴方法が最近変わった。
番組表検索や番組宣伝を見て、見てみたい番組の録画予約するようになった。最近は、アプリのTVerを使って、録画していない面白そうな番組を物色している。
「見逃し再生」は、普通のテレビの見方だ。
初見の番組への抵抗感は、ここ一年で急速になくなった。なぜだろう。
一つ目の要因は、安定だ。これは間違いないだろう。不安を感じにくくなったことで新しいものを楽しむ余裕ができたのだろう。
二つ目は、興味の幅が広がったことだ。好きな番組に出演していたから、他の番組でも見てみたい。冒険少年や有吉eeeee!を見てから、その番組に出ていたサンシャイン池崎やあばれる君、タカトシなどの出演番組をチェックするようになった。
三つ目は、習慣への固執が薄まったことだろう。最近、単発の特番を好んで見るようになった。習慣化しない番組であっても“手を伸ばす“ことができるようになった。たかがテレビの好みだが、こだわりは薄めることができるようだ。
これらをまとめると、長男のテレビの見方は、”フツー”に近付いている。喜ばしいことだ。
こだわりの強さでがんじ絡めになる傾向にあった長男が、こだわりの固結びを自分で解くとは思わなかった。
たかがテレビ。小さな変化かもしれませんが、とても大きい変化だ。
こだわりという、安定はしているが変化がなく狭い世界から、イレギュラーな面白いことが落ちている広い世界へ居を移すことができた。
これはとても凄いことだと思っている。
数年前の長男からは想像できない姿だ。
これからも、楽しいことを見つけて欲しい。
塀の外の広い世界を楽しんでほしい。