自閉症と近視 ③

視力低下の要因が電化製品や情報通信機器であれば、対策として有効なのもこれらの機器だと思っている。先進機器の機能を最大限活用する。勿論、目を休める、視聴ルールを改めるなどの行動属性の対策も行うが、テレビなどの視聴があまりにも生活と密接している為、効果は薄い。

例えが違っているかもしれないが、“毒をもって毒を制す“。現在も新たな対策を鋭意検討中だが、実施済みの対策を紹介する。最終回の第3回目。

第3回 視力低下対策

■対テレビ

前回書いた通り、テレビ番組を繰り返し見ることは、長男にとって娯楽以上の役割がある。不安やストレスを軽減させるルーティンとして、テレビは長男の安定した生活に貢献している。その為、テレビ視聴に関しては対策が取れない。視聴時間を減らすことも難しい。代わりにタブレットを使う時間が増えてしまったら、本末転倒だ。

唯一テレビに関して実施した対策は、テレビを見る姿勢を正すことぐらいだ。放っておくとソファーに寝そべりながらテレビを見てしまうので、座って見ることを注意している。また、座りやすくする厚みのあるクッションを購入するなど、比較的ローテクな対策を取っている。

■対任天堂スイッチ

“テレビモード“の活用

任天堂スイッチは、ドックと呼ばれるケースに差し込むとゲーム画面をテレビに投影することができる“テレビモード“という遊び方がある。基本、テレビモードでプレイすることを約束として取り決めた。可能な限り本体のディスプレイを用いる“携帯モード“でプレイしないように言い聞かせている。

少しでもテレビモードでゲームをしやすくする為、Joy-Conとグリップを買い増した。テレビモードでプレイしやすくするように対策を打ったつもりだ。

■対iPad

Chromecastでテレビに投影

任天堂スイッチ同様、最も目を酷使するのは目の前のディスプレイを凝視することだ。スマホやタブレットを使った動画の視聴が一番の強敵だ。目下、長男が最も約束を守れないのは、YouTubeの視聴時間だ。タイマーによる時間管理で見過ぎを防ぎ、“画面との距離を空ける“。

その為に購入したのが、Chromecastだ。これは、テレビのHDMI端子に機器を差し込むことで、テレビ画面にiPad等の動画画面を“キャスト“できる。我が家で主に使用しているのはYouTube。YouTube画面右上のキャストアイコンをタップすることで、動画の投影先がテレビ画面になる。長男は操作方法をすぐ覚えてくれた。手元にあるiPadの画面の方が見やすいようだが(視力が下がっているから)、毎回Chromecastの活用を促している。

この機器は他にも機能があるようだが、とりあえず我が家ではYouTube対策のみで使用している。


私が一番恐れているのは、視力の低下によって、強みである視覚の記憶力が消えてしまうことだ。おそらく眼鏡をかければ大丈夫だと思うが、武器であった目に起こったトラブルに肝を冷やしている。

今回、視力低下に気付けたのは、長男の生活が安定していて学校で健診を受けられたことがきっかけだ。長男は、入学前健診を受けられなかったほど“ダメな子“だった。低学年の頃は、登校していても健診は受けられなかった。だから、早い時期に気付くのは無理だった。

前述のChromecastは、未就学のお子さんにも有効なツールだと思う。余裕があれば使ってみてほしい。

長男の眼鏡が出来上がったら、また投稿したいと思っている。