目覚まし時計
長男の日課と時刻はガッチリと決まっている。自閉症の長男は、時計を見なくても何となく時間感覚が分かるようだ。起床、雨戸の開閉、風呂の給湯スイッチ、登校など、時計を見ずとも毎日概ね同じ時刻にやっている。特に起床時刻は、目覚まし時計を使っていないにもかかわらず、毎日ほぼ同じ時刻に起きている。それは土日であっても変わらない。
長男は5時15分に起床すると決めているようだ。早起きしてくれるので、朝の支度をせかしたこと記憶がない。そんな長男が、先週土曜日、珍しく6時まで起きなかった。長男は『起きられなかった。なぜだ』とがっかりしていた。おそらく一週間の学校の疲れが溜まっていたからだと思うが、長男は落ち込んでいた。
早起きする動機は、登校前にテレビを視聴する時間を長くすることだ。朝ご飯までの間、テレビを見ることができる。長男は早く起きることで、テレビを見られる時間を少しでも長くしたいのだ。長男が欲しがったので、目覚まし時計を買ってあげた。
目覚まし時計はアナログなので、ブザーが鳴る時刻を細かく設定することができない。長男は5時にセットしている。毎日5時にブザーが鳴り、長男はボタンを押してこれを止めて起床する。目覚まし時計はボタンを押しただけでは完全に止まらず、10分後にまたブザーが鳴る。この10分後のブザーで私が起床し、元のスイッチを切る。目覚まし時計は、副産物として、私に規則正しい生活を与えてくれた。
目覚まし時計は長男にいろいろなメリットを与えてくれた。
- 寝覚めが良くなった
- 夜中に目が覚めることが減った
- 眠りが深くなった
- やたら早い時刻に起床することがなくなった
目覚まし時計を買って分かったことは、長男は早起きする意識が強すぎて、睡眠の質を悪くしていた、ということだ。②から④の効果は予想していなかったものだ。目覚まし時計によって起きる時刻が正確に決まり、機械にお任せできることによって、長男自身が自覚していない「起きなければならない」という無意識の緊張を解くことができたようだ。
目覚まし時計によって睡眠の質が向上するとは思わなかった。私の起床時刻の精度も上がった。少額の投資で、かなりの効果を得ることができた。
物は試しで、すぐに出来ることであればやってみるばきだな、と思った。
まあ、私に関しては、土日はもう少し長く寝ていたいというのが本音だが。