ケセラセラ
後編
前回、『時間が解決する』『そのうちなんとかなる』と書いた。
諦めや自暴自棄はいけない。
過去、私は真逆のことをしてしまった。怒りに任せて、長男に手を上げてしまった。妻のいない時に。当時未就学の本人も忘れていると思うが、私は自分を戒めるために忘れないようにしている。
その日長男は、些細なことでパニックを起こし、大泣きしていた。『こんなことで、かよ!』『うるさいな!!』 長男に対するイライラが我慢の限界を超えてしまい、寸止めするつもりで拳を振り下ろした。長男が運悪く顔を前へ出してしまい、拳が鼻に当たってしまった。鼻血を出してしまった長男、叩かれたことで更に大泣きする長男。その姿を今も忘れることができない。
私は怒りに任せて息子を殴ってしまった。戒めのため、この“罪“を忘れないように努めている。長男のため、家族のために生きることが私の禊だと思うことにしている。
焦っても好転しない。気負うとむしろ状況は悪化する。当時はわからなかった。
その後、小学校へ進学すると、パニックは激減し不安な表情を見る機会は劇的に減った。
きっかけは何だろう?幾つか挙げると
- マンションから一戸建てへ引っ越したこと
- 支援学級の先生に恵まれたこと
- 自分の言葉や行動で困り事を伝えられるようになったこと
- 長男が成長したこと
- (&)学習を通じて自信がついたこと
などと思う。
全てを通じて共通するのは、
親も子も(次男も含め)ストレスが減ったこと
これだと思う。どうやらストレスを減らすことが鍵のようだ。長男に手を上げてしまった当時には気付くことができなかったことだ。
つまり、『なるようになる』『ケセラセラ』だ。思い悩んでも仕方なかったのだと、今の自分なら思う。無論、当時は思い及ばなかったが。
自閉症児の問題行動で、思い詰めている親御さんは沢山居られると思う。日々の苦しさから、『限界だ』『もうだめだ』と思っている方も居られるだろう。我が家もそうだった。幸い我が家は時間が解決してくれた。気負ってもあまりいい結果は訪れない、『なるようになるさ』と気を緩めてほしい。時々、猫のようにボーっとしてみてほしい。心が健康で、専門家のサポートを受け続けることができれば、状況は必ず改善する。私はそう思うことにしている。
進学も就職も、きっとなんとかなる。そう思うことにしている。時間が解決してくれる、きっと。
Time will tell.
本田秀夫先生の本をよく読んでいます。ご自身が発達に問題を抱えておられるので(私と同じ)、子どもへの目線や受け止め方がとても参考になります。下記は自閉症児の社会に飛び出す心構えやトレーニングがとても分かりやすく書かれています。読みやすいです。