時間に解決させる

前編

我が家にも苦しい時期があった。先の見えない絶望感を毎日味わっていた。でも今はない。希望の光が差している。何が契機で変わったのか?おそらく本人の成長だ。

成長に委ねる。時間が解決する。こう考えれば、少し気が楽になる。

今でこそストレスなく笑顔で毎日生活している長男だが、昔は頻繁にパニックを起こし、いつも泣いていた。妻も毎日疲弊し、よく泣いていた。私は直近の生活と未来の見通せ無さに絶望し、自身の心疾患を悪化させていた。長男が完全にストレッサーだった。夫婦仲も芳しくなく、毎日不安とストレスでイライラしていた。

『なんでウチがこんな目に合わなければならないのだろう』

我が家の境遇を呪い、私はその原因である長男に対して怒りを感じていた。

今から5年前の話だ。その頃の状況を思い起こすと、今は天国だ。あれ程怒りの対象になっていた長男を、今はとてもかわいく思える・

呪いとまで感じた自閉症から学んだ人生訓は、『時間が解決する』だ。もちろん周囲のサポートは欠かせぬ大切なものなので、医者や先生、スタッフを信頼して事に当たる。日々の療育や学校生活、家での生活に、少しだけ向上の意欲を持つあとは時間(=成長)に任せる。これがいい、というよりも、これ以外に手立てがない。突発的で大きな影響を及ぼす困り事だけ、全力で回避し、あとは成長にゆだねる。数年後、思わぬ効果を創出していることを期待して。

焦らない

気負わない

諦めない

(医者や先生、スタッフなど)周囲を信頼する

そして時間が解決するのを待つ。『なんとかなるだろう』の精神だ。

今の私はこれを理解できるが、追い詰められていた数年前は理解できなかった。
焦り悩み絶望し、結果、子どもに手を上げてしまった。
次回、当時の心理状況や後悔、その後に感じた事を書こうと思う。


この画像の頃、外見は一番可愛かったが、生活は一番苦しかった。
長男が自分の気持ちを我々に上手く訴えることができなかったからだ、と後に気付く。