大変さを分かってもらうには(1)

他の障がいも同時だと思うが、自閉症は困り事苦しい事がとても多い。
周囲の家族は、健常児の家族に比べて、非常に多くの制約と我慢を強いられ、神経をすり減らすことになる。
もちろん、障がい者本人も強いストレスにさらされ続ける。
自閉症は、本人と家族の両方が苦労を強いられる障がいだ、と私は思っている。

例に漏れず、ウチも非常に苦しめられた。
“フツー“なら必要ない綿密な事前準備が必要であり、当日にはアクシデントが起こらないことを願うことになる。
常に強いストレスを感じることになる。
決まった生活サイクルから外れることは御法度なので、旅行などの遠出は不可能だ。

ウチはこの生活に慣れていて、且つ、幸いなことに子どもの成長によって制約が緩和されつつあるので、気苦労は年々減っている。
それでも“フツー“の家庭と比べたら、苦労の絶えない家族だと思う。

自閉症は、身体の障がいと違って周りから困り事を把握しづらい。
その為、サポートを受けづらく、理解もされづらい。
当事者家族は、これによって多くの絶望を味わう。

私の心に巣食う悪魔は、いつもこう囁く。

自閉症とその家族の苦しみを、“フツー“の人にも味わってほしい。いや、同じ目に遭えばいいのに。