兄弟児の有難さ 1/2の怒りの感情

自閉症児の育て方を学ぶ上で、“非自閉症児“の兄弟の存在を、非常に有難いと感じている。

ウチは兄弟二人。兄が自閉症児で、弟はフツーの子だ。
厳密には、我々親の姿を見て育っているので、次男は年齢よりも遥かに洞察力が高い。
歴代の担任の先生はもれなく次男の観察力に驚いている。

長男には一般的な子育てのセオリーが通用しない。
自閉的特性の濃淡によって、自閉症児の子育てセオリーにも当てはまらないものが多い。
そのため、今まで手探りで長男と接してきた。
困ること、怒ること、泣きたいこと(否、泣いたこと)に事欠かなかった。

“難易度“の高い長男に向き合う上で、非常に助かったのは次男の存在だ。
次男を通して“基準値“を測ることができるため、長男の自閉傾向をかなり正確に把握することができるのだ。
長男の得意なことと苦手なことが分かると、前もって不安要素を排除することができる。
更に、できることには過度な支援をしないことも可能だ。
次男を見よう見真似することで、できるようになった事柄もある。

長男を一人っ子にしなくてよかった

心底このように思っている。
そして同時に、次男には多くの苦労や我慢を強いていることを申し訳なく思っている。
旅行やお出かけ、外食の機会を十分与えてあげられない。
ヨソの子はもっと楽しいことを経験している、と次男も気付いている。
それでも不平不満を言わない。
ウチは次男に支えられていると言っても過言ではない。

震えるほど怒っても 1/2も伝わらない

青春時代に好きだった名曲の歌詞になぞらえてみたが、次男の存在によって心労は大幅に緩和されている。
それは、長男にとっても同じだろう。
怒られる時、失敗した時、不安な時に感じるショックの未然防止が図られている。

他力本願だが、次男には人一倍成功や名誉を手にしてほしいと願っている。
彼には誰よりも幸せになってほしい。
そのための後押しは惜しまないつもりだ。