療育以外の手立ては、おそらくない

自閉症に一刻も早く気付くこと 自閉症とできるだけ早く向き合うことがとても大事

長男が未就学の時に通っていた療育施設のママ友達から、怖い話を聞いた。子どもの自閉症を“治す”為に、胡散臭い民間療法にどっぷりとハマってしまった人の話である。他にも、自閉症を“治したい”一心で新興宗教に入信してしまい、家庭が壊れてしまった人など、悲惨な家庭の話を聞いたことが何度かある。妻も、ママ友の一人から、「体内から水銀を抜くことで自閉症を治す治療があるらしい」と100%善意で進められたことがあるらしい。

間違いないこととして、自閉症スペクトラム障害は“治す”ものではなく、生活に支障が無いように押さえ込むものだ。消えて無くなるものではない。だから「治る」という触れ込みで近寄ってくる話は、聞くべきではない。

怪しげな話はいくらでも転がっています。しっかり気を持っていないと、このテのものすがり付いてしまい、不幸せになる危険があります

そして、現在の医療において、革新的な治療方法(自分で書いていて何だが、治療という表現に違和感がある)は見つかっておらず、現状最も有効な手立てはTEACCHの理論やABAを用いた療育以外にないと思っている。当人の特性に応じて“療育をチューニングする”こと以外、確立されたものはないはずだ。

療育で通っていた某施設は、障がい者の方が利用する施設でもあったので、怪しげな声をかけてくる人がいたようだ。施設にはこんな貼り紙があった。「施設内で宗教の勧誘をされたら、こちらの窓口へご連絡ください」。

信仰心を持っている人に怒られてしまうかもしれないが、宗教って困っている人を食い物にするの?と思わざるを得ない。私は無心論者なので、神仏にすがって困り事が消えるなどと考えたことはない。日々子どもと向き合い、一つひとつハードルを超えること以外、上手くいく方法はないと思っている。

結論として言いたいことは、「騙されるな」「心を強く持て」。儲け話と同じで、うまい話には裏がある、と思った方がいい。

療育を受けること 状況に応じて投薬治療も受けること 何より専門家に診てもらうこと これにつきます

構造化など、療育によって出来ることは増やせます。本人の不安も軽減できます。自閉症児にとって、居やすい環境をつくってあげる必要があります