偏食から何でも食べる子へ
先日、妻が牛すじ煮込みを作ってくれた。惣菜屋で買うとそれなりの金額になるので、ウチでも作ってみることになった。妻が作ってくれた牛すじ煮込みはとても美味しかった。驚いたのは、長男も牛すじ煮込みを食べたこと。美味しいと言って沢山食べた。別の日、長男はもつ鍋も食べた。脂っこくて独特の食感のもつを美味しそうに食べていた。ちなみに、もつ鍋は試しに一口食べてから、大好きなメニューになった。長男は給食においても、食わず嫌いせずにとりあえず一口だけ試しに食べている。昔の長男からは想像できない姿だ。
未就学期の長男は、ひどい偏食だった。食べられるメニューは10個ぐらいしかなかったと思う。献立を考えるのがとても大変だった。外食せざるを得ない時は非常に困った。食べられるメニューのある店を選ぶ必要があった。幼稚園に持たせたお弁当のおかずは、決まった4〜5種類を使い回していた。飲み物にも偏りがあって、水出しの麦茶とカルピスしか飲めなかった。
長男の偏食が解消されたきっかけは給食だった。
先生に促され、試しに食べる。食べてみたら美味しかった。食べたことないものも、美味しいかもしれないから、とりあえず食べてみる。
そのサイクルを回すことで、食べられるものが増えた。未知のものを食べることに拒否反応を示さなくなった。親が食べているメニューに興味を持ったら、とりあえず自分も食べてみる。挑戦する意欲があるのは良いことだ。
長男の食事へのこだわりは無くなった訳じゃない。毎日決まった銘柄のヨーグルトを食べ、おやつには毎日梅こんぶを食べる。金曜日の夕飯は何年もカレーだ。以前の長男は、こだわりに囚われて特定のメニューを選んでいたが、今の長男のこだわりは単純に食べたいからだ。
親として嬉しいのは、長男が新しい挑戦をしてくれることだ。一口食べて『美味しくなかった。もう食べない』というメニューもあるが、こだわりとパターン化が特徴である自閉症の子が新しいものに挑戦する姿を見るのは嬉しい。長男は食べることに喜びを感じている。食事が大好きだ。太り過ぎに気を付けながら、長男に楽しい食事の場を提供し続けようと思う。