コミュニケーション 1

自閉症の長男、まさかのコミュニケーション大得意に

自閉症の主たる特徴として、コミュニケーションの困難がある。例に違わず、長男も未就学期はそうだった。親や先生に自分の要求をうまく伝えられず、癇癪やパニック泣きをしょっちゅう起こしていた。小学校へ進学すると、少しずつこれらの困り事が減った。視界が広がり言語能力が向上したことで、以前なら泣いていたような嫌な事を、大人に相談できるようになった。これによって解決を図れるようになり、ストレスが軽減され、生活が安定した。この変化は、親にとってこの上なく有り難かった。困り事を減らす微調整やどうしても無理なことは最初から回避するなど、リスクを減らすことができるようになった。この変化は小学校2〜3年頃から見られるようになった。

それから数年。長男のコミュニケーション能力は驚くべき進化を遂げていた。

  • 支援学級の年長者組になった長男は、低学年の子たちを気遣う存在になっている。小さい子の面倒を見る役を担っている。
  • 支援学級の授業では、積極的に手を挙げる。
  • 最近熱心に調べているダジャレを披露してクラスを盛り上げる。
  • 健常な子に混ざって委員会活動(図書委員をやっています)をする。

コミュニケーションは苦手だと思っていたが、それは親の決めつけだった。

以前、主治医から『コミュニケーションが得意なようだ』『他者への関心が強いようだ』と言われたことを思い出す。当時は『まさか。ウチの子が?』と思っていたが、先生の見立て通りだった。

我が家のコミュニケーションランキングで、長男が3位に躍り出た。1位2位はコミュニケーションモンスターの次男と妻が争っており、ダントツの最下位は私。会社員の私。組織の中で働く私。長男の背中はもう見えない。私は、長男の困り事克服のプロセスをトレースして、苦手克服を図ろうと真剣に考えている。

次回は私のコミュニケーション不得手を例に、長男がどのようにコミュニケーションスキルを身に付けたか紹介する。

本題とは直接関係ありませんが、長男が学校作品展に出したちぎり絵です。