友達の存在

自閉症は、興味関心が内向きになり他者への関心が乏しいとされている。未就学期の長男もそれに違わず、お友達、世間への関心は乏しかった。今は違うようで、友達から色々な影響を受けている。自分が見たことないアニメ、ギャグやネタ、食べ物、お友達の口癖まで影響を受けている。自閉症の長男が、友達というものを大事に思っていることに驚かされる。

未就学期は、全くと言っていいほど友達と関わりを持とうとしなかった。小学校へ進学すると、次第に友達が大切な存在になっていた。

ヨソのご家庭で参考になるか分からないが、理由を考えてみる。範囲を学校に絞った。

普通級を無理強いしない先生の方針

支援級の先生は、特別支援学校での豊富な指導経験を持つ大ベテラン。一年生の時に長男の性格を見極め、このような方針で臨んでいたと後に聞いた。

ストレスや不安に影響を受けやすい。これらの軽減を最優先に考える。安定出来た後に次のステップを考える

支援級のクラスメイトと一緒に活動することが苦手で、中でも普通級の交流授業は大の苦手だった。先生は、交流授業を強制しなかった。最初のうちは、支援級の中で友達との関係性を育むことに重きを置いていた。
支援級で友達に心を許せるようになり、学校に慣れて視野が広がると、普通級への苦手意識は薄れた。今ではほとんど拒否反応はなく、クラス以外に委員会活動にも積極的に取り組んでいる。

先生の方針は正しかった。とても感謝している。

優しくてお手本になる支援級の上級生

長男はストレスや不安にとにかく弱く、低学年の頃は支援級で一番手のかかる子だった。出来ないことが多い長男に対し、支援級の上級生は、声をかけて励まし、手伝いをしてくれた。このクラスの上級生には、優しくてしっかりした子が多かった。とても幸運だった。長男は励まされることで安心と自信を獲得した。今も、6年生のクラスメイトをお手本にして真似ようとして、自分なりに努力しているようだ。
そして、今では長男が自分がしてもらって嬉しかったことを、低学年の子たちにしてあげている。先生方がとても褒めてくださる。長男を誇らしく思っている。

気の合う同学年の友達の途中転入

一昨年、長男と同学年の子が普通級から支援級へ移ってきた。ハーフの男の子で、長男が籍を置いている普通級のクラスメイトだった。未だにこの子の抱える困難が何なのか分からないほど(LDではないかと思っている)しっかりしていて、性格も穏やかだ。この子の存在がとても大きかったようだ。すぐ仲良しになり、積極的にコミュニケーションを取った。この子の口癖を長男が真似るようになった。流行りのアニメやギャグなど、この子から吸収しているらしい。
長男よりも出来ることの多いこの子の存在が、長男に多くの挑戦の意欲と機会を与えてくれた。


学校に関して言えることは、ほとんど他力本願であり、運の要素が強いということだ。周りに恵まれたと思っている。我が家はたまたま運が良かっただけなのかもしれない。

ただ、この運を掴むうえで大事な姿勢があると思っている。

先生と学校を信頼すること

これが出来ない親はかなり多い。時には学校に対して疑問を感じることがあるかもしれないが、基本、学校と先生を信頼する。信頼するべきだと思う。
親は所詮我が子しか知らない。先生は多くの子を見てきている。思うところがあれば、信頼を前提として意見を交わせばいい。先生方とは色々な話をする中で、時に意見を言うこともある。
学校を味方にできるかどうか、親の心掛け次第だと思っている。味方は多い方が絶対いい。