回顧録 土曜登校日の克服

通常なら休みである土曜日に学校へ行く。
このイレギュラーに、なかなか対応できなかった

今になって思えば、何故あの頃苦しんだのか分からないことが沢山ある。気付くと綺麗さっぱりなくなっていたその困り事がいくつかある。なぜなくなったのか、理由を考えず今に至っていることが山ほどある。幸運なことだと思っている。解消された今、要因は何だったか考えてみる、回顧録シリーズ。

今回は、土曜の登校日イヤイヤ解消についてご紹介する。

自閉症の長男は、年に数回催される土曜の登校日が苦手だった。「通常土曜日は休みなのに、なぜ学校があるのか」。この”イレギュラー”をなかなか理解できず、その登校日の2週間ぐらい前から強いストレスを感じていた。運動会が苦手な理由の一つは、土曜日開催だと思われる。

子どもたちの通う小学校では、春の運動会、秋の授業参観(研究授業)、冬の学校開放日、年3回の土曜登校日がある。

どのような困り事があったか

運動会は連休の前後に練習が始まる。冬の学校開放日では、劇や作品展を披露する。これらの準備や練習が始まると、体調が悪くなり、メンタルもやや不安定になっていた。低学年の頃は、当日登校できる保証がない為、長男がいなくても演目が成り立つように、担当を端役にしてもらうなどの配慮をしてもらっていた。

本人は不安で辛かったと思う。親も当日まで心配が続くので、かなりストレスがかかった。当日までの数週間、生きた心地がしない。結構辛かったので、今の状態を本当に有難く思っている。

何が原因か

長男は、ルーティンから外れたことがとても苦手だ。安心感を得る方法として、ルーティン化することで見通しを立てている。ルーティン化は、ストレスを軽減させるための有効な手立てなのだが、イレギュラーなことに対しての対応が難しくなる。
療育期の土曜登園は特に嫌がっていなかった。曜日を知らず、ルーティン化ができていなかったからだ。療育~小学校で、曜日を覚え日課を理解し、少しずつ安心できるようになった。

通常、土曜日は通常学校が休みの曜日だ。強固なルーティンが仇になる。

土曜日なのに休みじゃない

これが強いストレッサーになってしまう。しかも、年に数回という“レアな出来事“なので、経験値を獲得しづらい。

どうやって解消したか

高学年になった頃から、長男は急速に学校で安定するようになった。先生方の指導と本人の成長によって、学校生活でストレスを感じにくくなった。そして、イレギュラーへの対応力が身に付いた。今までなら年に数回しかない「土曜日学校へ行く」というイレギュラーなことを飲み込めるようになった。昨年から続くコロナ禍の対応にも、ストレスを感じることなく生活できている。今まで全くなかったコロナの変化ですら対応できているので、今まで一年に何度か経験している土曜日登校は容易に対応できるのだろう。

先週の土曜日、冬の学校開放日が開催された。父兄は参加できないが、研究発表や練習成果の披露がテーマの一つなので、コロナ禍の今年も実施された。長男は、

土曜登校日なのに、両親が見に来ない

この、”イレギュラー”のさらに”イレギュラー”な事態がなかなか腹落ちしなかったようで、最初はかなり嫌がっていた。最終的には納得して、登校してくれたが、「親が見てくれるから土曜日でも頑張れる」という要素があったことを今回初めて知った。