脱シングルフォーカス ゲームの攻略法
自閉症の特性として、シングルフォーカスがある。
シングルフォーカスとは、「一つの事柄に意識が集中してしまい、複数のことを同時にすることが苦手」というもので、自閉症の代表的な特徴の一つだ。
前回、長男がシングルフォーカスに囚われない方法で遊んでいる話を紹介した。
今回はもう一つの事例を紹介する。
子どもたちは今、「スーパーマリオ3Dワールド(+フューリーワールド?)」に夢中だ。二人揃った時は、協力プレイで遊んでいる。なかなかクリアできないステージに直面した長男が、今時の方法で攻略法を探していた。
- メイン 任天堂スイッチ(ゲームをプレイ)
- サブ iPad(YouTubeでゲーム動画を検索)
ゲーム実況動画から攻略法を見つけようとしていた。
対象となるステージのクリア動画を巧みに探す長男。
早速攻略法を試し、ゲームを進めている。
我が家では任天堂スイッチとYouTubeに、それぞれ一日の制限時間を設けている。
制限時間がないと、いくらでも使ってしまうほど大好きなアイテムだからだ。
- ゲームを進める
- 難しいステージで足踏みする
- iPadで動画を検索し、対象のステージのクリア動画を見つける
- 動画を見てコツを覚える
- 動画を一時停止
- 実践
- クリアしたらゲームを一時停止
- 動画で先のステージを調べる
このサイクルを繰り返している。端から見ていると面倒な手順のように思えるが、長男はこの方法で着実にゲームを進めている。
長男に聞くと、『次男がゲーム実況動画をよく見ていることをヒントに考え出した』と言っていた。
自分で工夫したことは素晴らしい。
今までは、動画は動画、ゲームはゲームであり、二つ同時に使うことはなかった。例えば、ゲーム中に音楽を聴くといった使い方は今でもしていないので、マルチタスクが出来る様になった訳ではない。
ただ、この”成功体験”を元に少しずつマルチタスク事例を増やして欲しい。
自分で工夫すること、やり方を変えることは、マルチタスクと同じく自閉症児が苦手とすることだ。
たかが遊びの話なのだが、これから数大きくの環境変化に対応しなければならない長男に、
希望の灯を見つけることができたように感じる。
自分でこの方法を見つけ出したことに成長を感じ、親として嬉しかった。
今後、類似事例がたくさん生まれることを期待している。(出来れば遊び以外で)