自閉症児と防災

ウチは避難所へ逃げられない アフターコロナで難易度は増した 対策を練る

台風10号がようやく通り過ぎた。西日本各地に影響を与えたようだが、先週戦々恐々としていたほどの大惨事は起こらなかったようだ。
東日本に住んでいるが、安心した。
日曜日の夜や月曜日のニュース番組で、避難所の様子を伝える場面を目にした。コロナウィルス感染対策として、収容人数を通常時よりも減らしたようだ。避難所に入れない人、たらい回しにあった人、それなりに混乱があったようだ。
停電によって、避難所の電気がストップし、真っ暗なうえエアコンが使えないという場所もあったようだ。ここまでは健常児のコミュニティーの話。

自閉症の長男を育てる我が家が避難所を利用するとして、具体的な想定をする。
避難が難しい理由も記載する

  1. 避難先は、子どもたちの通う小学校の体育館だ。普段利用している施設が様変わりし、知らない人が大挙して押し寄せる

長男が一番苦手なのは、想定外のことが起こることないし起こるかもしれないという不安だ。普段使っている場所が違う使われ方をする。
小学生じゃない人、知らない人が体育館に居ることになる。避難者の中には、知っている小学生もいる。まぜこぜの状態。
長男はこれを受け入れられない。

  • 日常のルーティンが崩れる。規則的な生活を送れない避難所でリラックスすることは出来ない

長男は、時刻によっておおよそ遊ぶびやお手伝いの内容が決まっている。そのリズムを狂わされることに強いストレスを感じる。逆に言えば、普段通りの生活さえできればリラックス状態を保つことができる。
一時的な利用であったとしても、避難所で過ごす際に”普段通り”は維持できない。
16~17時に入浴することはできないし、19時に夕食を済ませ、20時までに就寝する生活はできない。

  • 不安でパニック行動を取ってしまう恐れがある

自閉症児も風水害は怖い。強い風雨を経験し、強い不安を感じていることが想定される。
不安やストレスから、大声を出したり動き回ったり”問題行動”をしてしまう恐れがある。
避難者から『出て行け』と言われてしまう可能性がある。

  • 緊迫感のある避難所の”空気を読んだ行動”ができない

自閉症児を抱える家族が直面する、もっとも高い壁がこれだと思う。
避難直後で殺気立っていたり、不安で押しつぶされそうな避難者の心理を逆なでしてしまうような行動を取ってしまう懸念がある。
本人に悪気がなくても、しゃべる内容が避難者をイラつかせてしまうかもしれない。前述と同様、『出て行け』を食らってしまう可能性がある。
この可能性は、かなり高いと思っている。

ディスアビリティーを抱える人の避難ガイドラインはあるのだろうか。次の台風を迎えるまでに、一度確認おいたほうがよさそうだ

可能な限り、自宅でやり過ごしたいと思っている。これは、過去のブログで書いた通りで、今時点でも考えは変わらない。
食料の備蓄、庭の片付けや窓の養生、停電時の過ごし方だけでなく、避難指示が出た時刻によっては会社や外出先から急いで帰宅することも想定しなければならない。台風シーズンは常に警戒を怠らないよう努めたい。

最悪の事態を常に想定する。健常児の家庭と比べて制約が多い。リアルな最悪をベースに準備・行動するぐらいで丁度いいはずだ