心を病まない秘訣
自閉症児の生き方から、心を病まない生き方のヒントを見つけ出す
現代社会は人間関係、お金、労働など、ストレッサーに事欠かない。心を病む要因が山のようにある。現に私は心を病み、中学生の頃から鬱とともに生きている。
ただでさえ高ストレス状態の社会に、コロナウィルスが直撃。コロナウィルスによって、不安は増大し相互監視のもと社会はギクシャクしている。今まで健康でいられた人ですらも、精神を消耗する過酷な状況下にある。
自閉症の長男は、良くも悪くもゴーイングマイウェイ。生活にブレがない。この長男の生活に、ストレスなく生きる為のヒントもありそうだ。コロナ禍で心がシャンクしそうな今、長男の生き方から学ぼうと思う。
1.他人は他人、自分は自分。他人の行動を気にしない
コロナ禍の相互監視で、皆心がささくれ立っている。自分の正しさと他者のそれを比べ、違った行動を取る他者に対して、非難や攻撃をしてしまう。バッシングほど苛烈なものでなくても、少しのことでイライラして心をざわめかせている。
長男は、次男が何をしているか一応気にかけているものの、ほとんど他人に干渉しない。他人に迷惑をかけるようなことを意図的にすることは少なく、周りが何をしているかほとんど気にすることはない。
良い意味で自分の世界が確立されている。
コロナ禍は、他人の一挙手一投足を気にしてしまい、不安や怒りを感じて心が疲弊する。他人のことを気にかけない姿勢は、大いに学びたい。
他人のことを気にしないよう努めたい。新規感染者数や自粛を破る不届き者にイライラすることをやめよう。これらを関心の外に置けば、心はざわめかない。
自分と他人は違う。少しドライに構えれば、ストレスを軽減することができる。
2.いつも同じペースで生活する。このペースを守ることが、日々の安定の基礎になる
長男の生活リズムは基本、毎日同じ。平日は学校の時間割と晩御飯の献立を除けば、ほとんど一緒。週末についても、コロナの外出自粛によって、過ごし方が毎週ほとんど一緒だ。普通の感覚では退屈しそうだが、彼はこの基本リズムによって、心が平穏でいられる。逆に、変わらない生活から得られる安心感によって、イレギュラーな事態に対応できる余裕を生み出している。
コロナウィルスの感染拡大により、行動は大きく制限されている。不要な外出を避け、他人との接触機会を削減することが求められている。これらを実践すると、生活リズムは簡素なものになる。これを悲しんだり怒りを感じることなく、受け入れてみよう。徳の高い僧が隠遁生活で悟りを開くように、普段は見えていないものに気付けるかもしれない。
私は家の中で楽しみを見つけようと思う。家の外への興味は、ドアの中に向ける。
3.目の前にあるもので満足する
長男は、基本自分の周りにあるもので満足することができる。羨ましがって妬んだり、人と比べて幸せを測ることもしない。人と比べて、何かが欲しい、どこかへ行きたい、と思うことはほとんどない(比べる対象は次男のみだ)。
コロナ禍によって、金銭的将来的な不安を皆蓄積している。「この先どうなるのだろう」「不安で落ち着かない」少なからず皆こう感じていると思う。私もそうだ。
長男に倣い、今手元に揃っているもので満足しようと思っている。家族がいるだけで満足、毎日暮らせることが幸せ、そう思うようにしようと思う。今手元にないものを、過度に望まない。
4.幸せの尺度は自分の中に持つ。他人の幸せを追い求めない
人間の幸せの価値基準は、大概自分の外にある。他人の標準偏差と比べて、自分がどこにいるかによって幸福を測る。生活水準、大学や会社のステータス、車や服、ブランド品の所有、外見の美醜など。幸せか不幸か決める基準は、概ね他人だ。
長男はそうではない。なんでも自分で出来る次男と比べて鬱屈することはない。自分より障がいの軽い人を妬んだり、重い人を下に見ることもない。幸せか否かは、自分がどう感じたか。これが全てだ。
私もこれを大いに真似たいと思う。他人と比べ出したらキリがない。人間は70億人いるのだから。順位を付けていたら、一生幸せにはなれない。
「1.」にも書いた通り、他人のことは適度に見ない、気にしない。大半は知らない人であり、知っている人の暮らしであっても、自分とは直接関係ないのだから。
長男は、コロナウィルスの大変化を全く気にすることなく日々の生活を送っている。心が健やかでいられるのは、上記のような点が要因だと思っている。私も真似てみたいと思っている。
幸せは自分の中にある。他人には渡さない。