自閉症の息子といっしょに、災害に向き合う
トンガの火山噴火による津波の警報音が夜中鳴り響いた。また、国内で発生した地震のニュースを目にする機会が増えたように思う。昨日1/17は、阪神淡路大震災の日として記憶されている。
20年以内に、南海トラフ地震が起こることはほぼ間違いないという。日本に住む以上、地震対策は切り離すことはできない。
自閉症の長男は、イレギュラーな事象やルーティンから外れた事象が苦手だ。周りに知らない人がいると、ストレスを溜め込んでしまう。問題行動が出てしまう懸念がある。避難所を使うことはできないだろう。皆と同じような避難はできない。
東日本や熊本の地震の記事から、自閉症の家族を持つ方の避難の困りごとを確認している。避難所や仮設住宅から出ざるを得ない事例は多かった。ウチも同じような苦労に見舞われるだろう。
その為、自分でできる防災対策は、可能な限りやっている。
家を買うにあたり、津波とは無縁の内陸の丘陵地を選んだ。土砂崩れのリスクもハザードマップ上はない。停電に備えて太陽光パネルを取り付け、一日分の予備の水を蓄えられる給湯器を設置した。カップラーメンや水の買い置きをしている。自宅で地震を凌ぐ想定で構えている。
鬼滅の刃の宇髄天元ではないが、ウチでは派手に命の順位を決めている。一番は妻と次男、二番は長男、三番は私だ。ウチは被災時、家族を二つに分けて、妻と次男だけでも避難所に入れるように準備している。長男と私は、被災した自宅で生活する。もしもの時は、避難所の二人だけは生き残れることを考えている。長男の命は、可能な限り私が守る。ダメだった場合は、長男がさびしくないように私が供をする。
6年前からこの体制で地震の構えを取っているのだが、最近嬉しい変化があった。長男が地震や津波のことをわかってきた。揺れる現象が地震であることを理解した。携帯電話がけたたましく鳴ると非常時だとわかるようになった。イレギュラーに弱いハズの長男は、地震の揺れに対して家族で一番沈着冷静だ。大騒ぎする次男を横目に、『揺れているね。この前よりは弱いね』などと言い冷静だ。
家族の誰かは生き残るという、前述の最悪のプランを発動せずに済んでほしい。長男は成長してくれている。以前よりも生存率は上がっているかもしれない。
また宇髄天元の言葉を借りる。『生きてる奴が勝ちなんだ』。生の確率を上げてみせる。