コミュニケーション 2
大事なのはストレス減とレジリエンス。コミュニケーションは後付けで伸びた
小学校に入学して間もない頃、療育環境との違いや引越し直後の環境の変化によって毎日不安定だった。学校でも家でも毎日泣いていた。少しずつ環境に慣れると、泣くことパニックを起こすことは少しずつ減ったが、毎日強いストレスを感じていることが親から見ても分かる状態だった。
一年生の頃は、学習カリキュラムをこなす状態に到達するのは難しく、学校生活に慣れることのみに専念した。当時は、字を書くことが相当苦手だったこともあり、勉強に要した時間は少なかった。学校に慣れたあと、少しずつ上向くきっかけを掴めるようになった。
①困った時には先生を頼る
何が要求したい時、入学して間もない頃はどうしていいか分からず泣いていた。学校に慣れると、先生に頼ればいいことを理解した。
②要求を伝えられる語彙力を身に付ける
学習カリキュラムをこなすようになると、使える言葉の数が増える。そうすると、自分の困り事や先生にサポートしてほしいことを伝えられるようになった。そして、
③語彙力、カレンダー・時計の理解によって先を見通す力を伸ばす
学習カリキュラムの進みによって、その日の予定、週や月の予定が理解できるようになった。長男は見通しが立たないことに最も不安を感じる。見通しを立てられるようになって、不安は目に見えて減った。
④ ①から③によって不安とストレスを減らす
⑤少しずつできることが増えたことにより、自信がつける
①から④をクリアしたことによって、長男は自信を身に付けた。『やればできる』と思えるようになることで、次の新しいことを『やってみよう』と思える。以前は失敗するとくじけてしまい、『もうやりたくない』と言っていたが、自信が付くと再チャレンジを試みて克服できることが増えた。レジリエンスを高めることができた。
レジリエンス (resilience): 社会的ディスアドバンテージや、己に不利な状況において、そういった状況に自身のライフタスクを対応させる個人の能力と定義される(中略)自発的治癒力の意味である。「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」などとも訳される。
Wikipedia
⑥挑戦の意欲を育て、挑戦する回数を増やす
レジリエンスを高めることができると、今は出来ないことでも『やってみよう』と思えるようになる。上手く行かなくても、『次は頑張ろう』と思えるようになる。失敗を恐れなくなると、成功できる機会が増え、次に挑戦する意欲が湧く。このいいサイクルが回るようになると、成功体験はおのずと増える。
この流れで長男は、成功体験を獲得し、未知のものを怖がらなくなった。成功によって自信を得るのは、自閉症児も同じだ。『やればできる』と分かった長男は、勉強や給食でも挑戦するようになった。知識は増え、食べられるものも増えた。
⑦ストレスが減り自信が身についたことで、コミュニケーションする心の余裕ができた。
上手くいきだした頃に見られるようになったのが、コミュニケーション能力だ。大好きなダジャレを言ったり、低学年を気遣う様子が見られるようになった。心に余裕が出来たのだろう。
レジリエンスによって自信を得たことによって、得意だったコミュニケーションを発揮できる余裕を得た。元々大好きだった、人との関わり合いをするだけの余裕ができた。⑦のコミュニケーションは、①から⑥のよいサイクルの副産物として現れたと思っている。
今の長男はとても望ましい状態だと思っている。が成功体験を重ねることで、成長を図って欲しい。
レジリエンスというキーワードを講演で知った後、この本で理解を深めました。結果的に何をしたことが良かったか、本によって理解することができました。