テレビゲーム上達
大乱闘スマッシュブラザーズにて
世の少年たちと同じように、自閉症の長男も任天堂スイッチが大好きだ。一番熱心なソフトは、大乱闘スマッシュブラザーズ。予め決めているゲーム時間の大半をスマブラに費やしている。
長男は、レベルを下げたCPU相手に技の練習をする。CPUは決まってカービィ。ほぼ無抵抗のカービィを相手に、技やコンボの練習をしている。
『動かない相手と戦っても上手くならないよ』『カービィが可哀想じゃない?』
ほとんど攻撃しない相手といくら戦っても上達しないだろう。私はそう思っていた。長男は負けることが苦手であり、ゲームも上手ではないので、この遊び方しかできないのだと思っていた。
先日、長男と次男と私でスマブラの対戦をした。三人対戦は久しぶりだ。以前は、次男が圧倒的に上手かった。次男はスマブラよりもマインクラフトが好きなので、スマブラは久しぶりだという。
いざゲームを始めると、長男がテンポよく攻撃を始めた。逃げた方向に先回りされ、コンボを受ける。アイテムを先に取ることができない。見たことのない投げ技をかけられる。
長男は上達していた。以前はウチで一番上手かった次男すら、長男に歯が立たなかった。緩く見えたCPU相手の練習は、確実に技を出し当てることや技をつなぐ技術を高めることに作用していた。
長男はとても嬉しそうだった。たかがゲームだが、練習の成果が出て誉められる経験は貴重だ。今日も長男は、カービィ師匠と鍛錬に励んでいる。