グレーHSC

HSPとHSCの違いはPersonかChildかの違いのみであり、定義は同じだ。
前回披露した私の話は、ほとんどHSC時代のものだった。
オジサンの今は、HSPとして毎日困りごとに直面している。

今回は小学校低学年の次男の話をする。

次男は年齢よりもかなり大人びている。お友達に対して常に気を配り、譲歩やケアをする。友達に対して我を通すことはほとんどない。
次男は、生まれた時から自閉症のお兄ちゃんに合わせて生活することを強いられている。
その為、自分のことは自分でする意識が強く、兄を支える気心すら備わっている。

同い年の健常な子に合わせることなど容易いのだろう。次男は、長男と同じ支援級に在籍する同学年の子を率先してケアしている。
先生からはかなり頼られていると聞く。

次男の場合 ~小学校低学年の男児

寂しそうにしている子や上手くできずに困っている子をとにかくサポート

次男は幼稚園の年少さんからずっと先生に褒められている。父兄面談の際には、ほぼ毎回先生からお褒めの言葉を頂く。
よく褒められる点は共通していて、元気のない子や勉強スポーツで上手くいかない子によく声をかけて、
元気付けたりサポートしている点だと面談に臨んだ妻から聞かされている。
引っ越して間もない子や発達に遅れのある(と思われる)子に対し、積極的に声をかける。
先生から『本当に助かります』とお褒めの言葉を頂く。
運動会のダンスでは、支援級の子のそばに必ず配置される。次男は、先生から普通級で交流学習する支援級の子の面倒を見る役割を任されている。次男は、先生から頼まれる前に、この役割をこなしている。

手を挙げるのは、誰も手を挙げない時だけ

次男はそこそこ勉強のできる子なので、勉強が分からずに困ることはほとんどない。
先生から質問された時、分かる子は手を挙げる。皆が手を挙げられる質問の時には小さく手を挙げるだけだ。
一方で、誰も手を挙げない時に、次男は大きく手を挙げて先生に当ててもらおうとする。
この理由を次男に聞くと、次男は『誰かが答えないと授業が進まず、先生が困るから』と答えた。

先生に配慮した行動だと知って驚いた。

勝ち負けのあるスポーツを避ける

次男は体が大きい。二学年分ほど体が大きい。体の大きさは、スポーツではかなり有利に働く。
体が大きいので、パワー系の運動が得意だ。ただ、サッカーや野球など、習い事全盛の球技は苦手らしい。
『上手い子が小馬鹿にしてくるから嫌い』と言っていた。
また、どこかで聞いたことのある『体がぶつかるスポーツは嫌い』とも言っているので、血は争えない。
次男は体操を習っている。体操は、人と比べたり勝ち負けで競わないから好きなのだという。
私は人を打ち負かすのは大好きだったので、次男の方が人間ができている。

キャラが泣くシーンを見るのが嫌い

次男はアニメの別れのシーンが苦手だ。理由は『可哀想だから』。別れが悲しくて泣いているキャラクターを見るのが苦手だ。ドラえもんの映画(のび太と恐竜)で、のび太と恐竜のピー助が別れるシーンで号泣してから、これを言うようになった。

ワンピースは、キャラクターがよく涙を流すので『かわいそうだから見ない』と言う。クレヨンしんちゃんや名探偵コナンはそのようなシーンが少ないので『嫌な気持ちにならない』と言っている。


次男は共感性認知能力が高いように感じられる。
相手の気持ちを推察して、相手のためになる行動を取ろうとする。
他者からの“侵略“を恐れて、アレルギー的な反応をしてしまう私とはタイプが異なるようだ。

父兄面談の際に、担当の先生から『自分を押し殺して我慢をしていないか、少し心配しています』と言われたことが何回もある。
『ウチでは結構ヤンチャでワガママを言いますよ』と返すと、先生は『安心しました』と答える。
このやりとりは、ほぼ毎年繰り返される。

自閉症児を育てる上で、兄弟児へのケアは必修科目になっている。次男が自身を抑圧しすぎていないか、常に気を配っている。

HSCの先輩として、次男には私と同じ苦労をさせたくない。

次男よ、私みたいになるな。