IQの高さや自閉症の軽さが、暮らしやすさや幸福感が比例しない難しさ

障がいの重さと幸福度は一致しない。軽ければ楽な訳じゃない。

ウチの子頑張ってる 成長した長男に改めて感謝

私には自閉症で繋がるパパ友と呼べる存在が、今のところこの世界に一人もいない。我が子の自閉傾向について、あれやこれや話す機会を持ったことがない。それらは全て妻に任せている。妻は最近、いわゆる“発達に問題を抱える”子のお母さんと、電話やSNSでやりとりをしている。妻の周囲に、自閉症のお子さんやグレーゾーンのお子さんはそれなりの人数いるようだ。行政や頑迷な親が掬い上げられていない“発達に問題を抱える”子は相当数いるように思う。

脱線したので、話を元に戻す。

妻が繋がりを持っている自閉症ないし発達系の問題を抱える子は、ほとんどウチの長男よりもIQが高く、判定も軽度だったり高機能自閉症。療育の同窓時代やその子のエピソードを聞いている時は、いつも「羨ましい」と思っていた。療育当時、ウチの子は強い不安感からこだわりに縛られ行動に制約が多かった。日常生活で困らせれるトラブルが毎日のように起こっていた。その為、“出来のいい”その子たちを余計羨ましく思っていた。

理解できることが多いと困り事が増えることがある

直近の話を妻から聞くと、今の時点で困りごとが多いのは、その子たちのようだ。理解力の高さが災いし、例えば支援級の支援を拒否したり、得意なことと苦手なことのグラデーションが複雑だったり、苦手なことで自尊心が傷ついてストレスを抱えていたり、等。妻から聞いた話によれば、親御さんはかなり大変で、日々ストレスを感じているそうだ。悩まされるこだわりも、かなり面倒なものが多いようだ。

その子たちは、自閉症特有の傾向である、他人への関心の低さがある。あくまで興味の範囲が自分一人の周囲なので、お友達から何か影響を受けたり、人の様子を見てやる気を得たりすることはあまりないのだという。

翻ってウチの長男。療育時代の不安感から来る問題行動は、時計やカレンダー、順序など“見通しを立てるための材料”を理解したことにより、急速に減った。毎日頭を抱えていた問題行動、外出先でほぼ毎回起こるパニックや癇癪は、今ではほとんど起こらない。周囲と比べて自尊心を傷つけることはないので、対人関係のストレスを抱えることがない。長男はなぜか、社交性が高くコミュニケーションが好きなので、先生や級友から刺激をもらい、出来ないことに対して挑戦し“あの子みたいになりたい”と思って頑張ることができている。他人に興味関心があるのは、今プラスに作用してくれている。
更には、健常者たちも不安に苛まれ頭を抱えているコロナウィルスに対しても、学校環境の変化に戸惑うことなく、毎日平静に楽しく過ごすことができている。

妻の友達のお子さんたちも、何かしらのきっかけを掴むことで困り事がなくなっていくだろうし、そうなることを願っている。

今回私が感じたことは、表題に書いた通り「障害が軽い=問題が少ない」や「障害が重い=暮らしにくい」ではない、ということだ。以前、脳性麻痺のお子さんを持つお父さん(かつて在籍した職場の先輩社員だったのだが)が『意外と買い物に行けるし旅行もできる』と言っていて驚いたことを思い出した。その方は、『この子は、何かを嫌がったり暴れたりすることはない。周囲のサポートがあって、奇異の目で見られることだけクリアになれば、案外日常の困り事は意外と少ない』と言っていた。これは、自閉症など発達に問題のある子にも“ある程度は”該当するのではないかと思う。“ある程度は”としたのは、個々にこだわりが違い、ストレスを感じる要因が異なり、自閉傾向がマチマチだからだ。現に。療育時代同じクラスの子で、ウチの長男よりも重度で、ウチ以上に日常生活が大変そうな子はかなりいた。

ウチはかなり恵まれているのかもしれないと思った。今のところ、長男の自閉傾向は、ベストではないがベターな“グラデーション”だと思っている。以前、長男は幸運を掴んでいると書いた。それは今もあって、継続していると思う。

コロナで世の中がどうなってしまうか、誰にもわからない。でも、これからも幸運を掴み続けてほしいと祈っている。

クレーゾーンの方が、出来ることが多い分悩むことが多いかも。当事者の私はそう思う。