普通級へのこだわり(一)
自閉症の子どもにとってベストなことは、自分が落ち着く環境にいられることだ。その環境が、支援級なのか普通級なのか、その子によって違う。ウチの長男にとっては、交流級が最も落ち着く環境だ。以前は普通級で行う交流授業を嫌がっていた。今は淡々とこなせるようになった。経験を重ねて、普通級に対する不安が減ったからだろう。
親の普通級へのこだわりは、人によって様々だ。支援級をベストと考える親がいれば、普通級に固執する親もいる。普通級へのこだわりがない親御さんは決して多くない。「フツーの子と同じ環境で学んで欲しい」と思う親の方が多い印象だ。
親が普通級にこだわっているケースの子どもは大変だ。
支援級から普通級へ転籍したケースにおいては、本人は普通級の友達と自分に埋め難い差がある現実を突きつけられる。支援級から転籍したあと、自信を失う子も多い。
また、適切なケアを受けるために普通級から支援級へ転籍するケースにおいては、親と本人の両方に拒否反応があり上手くいかないケースがある。
今まで多くの事例を見てきた。成功例・失敗例のいずれも目にしてきた。
私の思う、子どもにとって一番幸せな状態は、親が普通級のこだわりを持っていないことだ。
不幸な事例を目にしてきたからだ。
次回は普通級と支援級を選ぶにあたって苦労されている、他のご家庭の具体例を紹介したい。