大人びている兄弟児 前編

次男(9歳)小学校3年生の話

次男は小さな頃から多くの苦労を強いられている。

ベビーバギーには3歳上の自閉症の兄が乗ってしまうため、次男は赤ちゃんの時から抱っこ紐か徒歩だった。
足腰はかなり鍛えられたと思う。

長男が知らない場所を嫌うため、ウチのお出かけ先はかなり限られる。
宿泊を伴う遠出は一度もないので、次男は旅行というものを知らない。外泊すらしたことごない。

なんとなく付いているテレビをダラダラ見る、という経験も皆無だ。
次男は、テレビを見ながら食事という経験をしたことがない。

長男は早寝が習慣付いている為、毎日20時には寝る。次男も21時には寝ている。
長男は5時に起きる為、朝の生活も規則正しい。休日であっても朝ご飯は7時。昼前までダラダラと寝る生活を経験したことがない。

次男は、苦労する親の姿を見ていて、且つ、自身も我慢を強いられている。その為、次男は年齢よりもはるかに大人びていると思う。
幼稚園、小学校を通じ、どの先生も次男の準備の早さと気配りの上手さを褒める。
発達が遅めの同級生や転校間もない子とペアを組まされることが非常に多い。

父兄面談の際、先生からは次男の前述のようなことを褒めていただけることが多いのだが、心配されることもある。

「我慢をしているのではないか」

「自分のやりたいことや主張を過度に押し殺していないか」

「“嫌だ“と言えずに苦しんでいないか」

学校で、次男がヤンチャな友達から“強めのコミュニケーション“を受けていた場面を先生が目にしたらしい。
やり返さない次男の姿が気になった先生は、先日催された父兄面談でこのことを話した。
先生は、年頃の子どもらしく自己主張をしない次男の様子を心配して下さっているようだ。

後編へ続く