自閉症児の春は、嵐の季節
生活環境がガラリと変わる春は、胃が痛くなる季節だ。
変化を苦手とする自閉症児にとって、春は心躍る季節ではなく、
苦労の多い季節だと思っている。
幸いなことに、ウチは「胃が痛くなる季節だった」と過去形で言うことができるようになった。
多少の不安要素はあるが、以前ほど身構える必要がなくなった。
自閉症の長男は、見通しを立てる力と変化に対する順応性を身につけることができた。
かつてのように、妻と私は祈るような心持ちで4月を迎える必要がなくなった。
先日、長男の大好きな先生の異動を新聞で知ったが、
長男はそれをちゃんと受け入れてくれた。
以前なら考えられなかったことだ。
クラスや先生が変わることに、以前の長男は怖さを感じていたと思う。
新学期は毎年メンタルが不安定だった。
よく体調を崩していた。
本人だけでなく、妻も私も春が怖かった。
妻は、春を迎えると、不安とストレスで胃薬が手放せなかった。
今はそれらの”風物詩”がなくなっている。
何か特別なことをしたから、長男が変わってくれた訳じゃない。
本人の成長とそれを導いてくれた先生方や周囲のサポートの賜物だ。
時間が解決してくれた。
いま正に不安に直面しているご家庭は山ほどあると思う。
でも、その状態は一生続く訳では決してない。
本人の成長によって解消される望みはある。
春休みを満喫する長男を見ると、大変だった頃を思い出し、
成長してくれたことを感謝する。
ゲームのやりすぎを注意する日常に、幸せを感じている。