自閉症児の兄弟児

兄弟児のケアも大事です。
曲がって成長してしまうリスクがある一方、
自閉症児の兄弟を持つことで成長することもあります。
我が家の兄弟児は後者の萌芽を感じます。
我が家の事例を紹介します。

自閉症の長男は、小学校高学年。同学年の子に比べれば出来ることは少ないが、着実に成長してくれている。次男は3歳下の低学年。長男の発達状況を加味すると、二人は大体”同級生”か次男がやや”お兄さん”になる。次男は、未就学の頃からわがままをいうことが少なく、自分のことは自分でやるマインドを持っている。年相応の甘えを見せないことに不安を感じた時期もあったが、妻がわがままを言える環境を上手くつくり、”ガス抜き”はうまくいっている。

次男は、幼稚園の時分から、自分の兄が周りの子と違うことをなんとなく感じていた。長男が小学校へ進学して支援学級に在籍していること、その小学校に自分が進学したことで、明確に”理解”した。しかし、次男は兄のことを恥じたり距離を取ろうとしなかった。むしろ、積極的に支えようと思ってくれた。涙が出る程嬉しいことだった。

私が次男を凄いと思っているのは、兄のことを隠そうとせず、友達に対して「僕のお兄ちゃんだよ」と言ってくれること。先日の運動会では、頑張って走る長男に大きな声で声援を送っていた。家で遊ぶ際も、”遊び相手”になってくれる。一緒にゲームをすると、不器用な長男は上手くキャラクターを動かせないのだが、”兄役”を務めサポートをする。兄弟児を違う小学校へ通わせる家庭があると聞くので、次男がこのような対応をしてくれることはとても嬉しい。自分が同じ立場だったら果たして出来るだろうか、、、あまり自信がない。

子どもたちの通う小学校は、支援学級の生徒が普通級にも在籍する仕組みになっている。次男のクラスにも支援級の同級生がいる。次男は積極的に支援級のお友達の世話をし、担任の先生からもその役割を期待されている。運動会や遠足などの際、次男はいつも支援級の子のそばに配置されている。幼稚園の頃から、この役割を担うことが多かった。先生に言われてやっているのではなく、自発的にやっていたと思う。少し幼い子、引っ越ししたての子に対して、積極的に声をかけていた。

このような次男の姿を見ると、親はとても晴れがましい気持ちになる。自慢の息子だと思っている。勿論、長男も、だが。

我が家においては、自閉症の長男の存在が、次男を成長させるきっかけになっている。自立心を育み、周囲に気をかける優しさを醸成している。これによって頼られる機会を得て、より頼られる存在になるきっかけを得ている。長男の通う支援級の兄弟児には、ウチの次男のような兄弟児が多い。次男のクラスに在籍する支援級の子のお姉ちゃんは、運動会で生徒代表の挨拶をしていた。

唯一の心配は、我慢のし過ぎによる爆発だ。妻はこれを一番のリスクとして、”甘えの場”づくりに腐心している。
宣伝染みてしまうが、妻は後述の佐々木先生の書籍を読んで、次男が”抱え込んで”しまわない為の対応を取っている。利用しているリハセンターの講演においても、兄弟児に対するケアはテーマアップされている。

幸い、我が家は兄弟がお互いを支えあい、高めあってくれている。兄と弟の役割はそのうち完全に逆転すると思うが、いつまでも仲のいい兄弟でいてほしいと願っている。


兄弟児の”爆発”は、自閉症当該家族共通の問題だと聞く。このリスクを講演で知った妻が参考にしたのが、この書籍だ。妻は佐々木正美先生の書籍を積極的に読み、実践している。我が家には佐々木先生の書籍が数多くある。自閉症児に限らず、子育て全般に該当する内容なので、自閉症に関係のない親御さんが読んでもプラスがあると思う。


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