言葉遣い
小学生ぐらいの子は、悪い言葉を覚えて使いたがる。男の子の言葉遣いはこの時期かなり変わる。最近は女の子であっても、びっくりするような荒っぽい言葉を使う。この年頃の子どもがいる親共通の悩みだと思う。
自閉症児もその例外ではない。
乱暴な言葉を真似て言いたがる。我が家の対処法
テレビや動画で初めて知った言葉を使いたがる。健常児であれば、友達との会話の中で言葉の意味や使っていいか否か判断するのだろう。自閉症児の場合、このプロセスがない。
長男は、親に対して質問することで、覚えたてのその言葉の意味、使っていい言葉がダメな言葉か確認する
正しい言葉は意味をちゃんと教えて、理解させる。
自閉症の素直な特性を利用して、ちゃんとした意味を何度も教える。健常児よりも覚えは悪いので、何度も意味を答える。
注意点は、親の答えが毎回変わらないことだ。毎回意味が違うと『本当の意味は何なの?』と感じて戸惑ってしまう。
自信がない場合は、ちゃんと調べてから答える。妻との刷り合わせも行う。応答を繰り返すことで、ゆっくりと語彙を増やすことができる。
よくない言葉の意味を理解させて、使ってはいけないことを理解させる
例えば、『“痛い目に合わせるぞ“って言ってもいい?』と質問される。入手元はテレビであることが多い。このサンプルは、“トムとジェリー“に登場するスパイクという犬の台詞だ。
長男は“使ってはいけないっぽい“言葉やフレーズを見つける嗅覚がとても優れている。困る案件を次々と持ってくる。我が家では次のようなステップで意味の理解とあまり使う出来ではないことを理解してもらう。
■意味を教える。使って欲しくない言葉ほど、しっかりと調べてから答える。意味を伝えてから『だから人に言わない方がいい言葉だよ』と添える。
例であれば、『(次に同じことをしたら)殴ったり叩いたりして痛い思いをさせるぞ』ということだよ、と説明する。お友達に殴るぞと言って脅かすのはだめだよね?だから使わない方がいい言葉なんだよ、という。
次にこのステップを必ず踏むことになる。
『“痛い目に合わせるぞ“って言ってもいい?』
同じことをニ、三度聞かれる。半分は親と言葉を使ってじゃれている感覚だが、反復を兼ねていると理解している。その時はこう言うことにしている。
■『◯◯くんはどう思う?』と聞き返す。答えた後、理由も聞く。
最初のやりとりや教えた意味を覚えているので、九分九厘『ダメ』と言う。自分でもそれを分かった上で、半分おふざけで聞いている。大事なのは、
ダメな理由を理解できているか
だと思っている。ここでちゃんと自分の言葉でダメな理由を説明できて、ちょっと違っている点があれば補正してあげると、TPOの理解と語彙の追加はできる。
■テレビに関しては、『台詞だから言っているけど、実際の生活では使わない言葉だよ』と添える。
使ってはいけない言葉で親とじゃれる事が好きなので、このやりとりはかなりの回数発生する。面倒だが、めげずに対応する。
自閉症児は、実際に悪い言葉を使ってしまうことは健常児よりも少ない
最終的にはこう考えて割り切ることにしている。悪い言葉を使ってしまうリスクは、健常児と比べてはるかに少ない。長男は、他者との関係性よりも、自分の興味が優先するので、敢えて悪意をもって友達を攻撃することは少ない。自閉症児に共通する傾向だと思っている。先生に聞いても、言葉遣いで注意が必要な場面があったと言われた記憶はない。
兄弟児の言葉遣いには十分気を付けよう
兄弟児がよくない言葉を使っていたら、流石に自閉症児も影響される。兄弟児が悪い言葉を身に付けないように気を付ける。悪い友達から覚えてこないように気をつける必要がある。
自閉症児でもちゃんと理解できる。普段から気を配ってあげていれば大丈夫
ただ、動画は困りものだ。例えば、ユーチューバーはアニメやテレビの演者よりも、言葉の扱いが下手だ。その上、テレビ以上に親和性があり感化される。前述のプロセスは、動画視聴を始めた後の方が増えている。めげずに対応する。
一冊買い置いている。スマホで安易に調べないことを心掛けている。『自分でも調べてみたら?』と言っている。