頑張らないという選択肢

向上心を持ちながら生きることは辛い。前向きで心の強い人以外、出来ない芸当だと思っている。私にはとても出来ない。周囲を見回すと、皆自己研鑽に努め、高い意識を持って仕事をしているように見えてしまう。私は無理に追いかけないことで、心の摩耗を防ごうと思う。

最初から「頑張らない」ことを固く誓う。

生物の使命は、次代に遺伝子を残すことだ。人間の生活で言えば、子どもを産み、大人になるまで育て上げることで、生物としての使命は終わる。

私の場合、子どもは既にいる。残りの責務は育てるだけ。生活できるだけのお金があればいい。高額な塾や留学など、高望みさえしなければなんとかなる。私の所得が生業で増えなくても、深夜のアルバイトで補うことは出来る(会社が認めてくれる必要はあるが)。もし会社が倒産したり解雇されたとしても、家族を食わせるだけなら何とかなる。

割り切ってしまえば、日々のプレッシャーは大幅に緩和される。解雇されない程度、現状維持できる程度に働けばいい。この中で、もし心に余裕があれば、少し前向きに頑張ればいい。

世間や周囲を評価基軸にすると、頑張らざるを得なくなり、生きることが苦しくなる。

最低限必要な水準を見定め、それ以上は頑張らない。こうすれば精神をやられるリスクを減らすことは出来る。

最低限のことだけ出来ればいい。極論を言えば「生きてさえいればいい」。心が潰れさえしなければいい。高望みしない、「頑張らない」。高い志や上昇志向。そんな重い剣を私は扱えない。